小野耕世のプレイタイム 5 鉄条網を憎む男
小野耕世のプレイタイム 5
鉄条網を憎む男
「ぼくのいちばん好きなアメリカ映画が、ふたつあるんだ」
と、そのアメリカ人が私に話したのは、たぶん1980年代のことだから、もう30年以上も前のことになる。
「それはね、ジョン・フォード監督の西部劇『捜索者』(1956)と、デヴィッド・ミラー監督による『脱獄』(1962)のふたつだよ」
と彼が話したのを決して忘れないのは、この二作は私自身がとても好きな映画だったからで、同じ想いを持つアメリカ人(たぶん30歳代半ばの男だったろう)に会えたことは嬉しかったものだ。
なにかのパーティで会ったこのアメリカ人の名前も彼の職業もすっかり忘れてしまっているの...