cinefil連載『映画と小説の素敵な関係』第十三回『ドリーマーズ』-後編 江面貴亮
Cinefil原稿『映画と小説の素敵な関係』
第十三回 『ドリーマーズ』―後編
小説の『ドリーマーズ』では、[テオ、イザベル→マシュー]という上下の力関係が [テオ―イザベル―マシュー]という平行した力関係となってゆき、それが結果的に、テオとイザベルが精神的支配層として始まった関係性に歪みを生み出し、混沌に陥るというベクトルになっています。
それが映画では、当初の起点は同じものの、[テオ―イザベル―マシュー]という平行関係になった時にマシューはいち早く「成長」し、テオとイザベルの異常であり純粋である関係性に疑問を投げかけるようになり、それが結果的に破壊もしくは決壊させてゆくというベクトル...