ART@Kyushu第9回 網膜のドローイング「阿部幸子ドローイングワークス」 cinefil連載-cinefil art review
イリュージョンからの逸脱
水玉の作品で知られるアーティストの草間弥生が1959年にニューヨークで制作発表した一連の絵画作品は、網の目にみえることから「ネット・ペインティング」とよばれました。
ニューヨークの当時の大きなアートのムーブメントであったミニマリズムの絵画作品と対比して評価され、「ネット・ペインティング」の作品は、絵画作品が奥行きを持った空間として認識されるときに成立するイリュージョニズムを排した先駆的な表現でした。
網目をみていると点が浮き上がるような、病理的な反復性がもたらす、画面の網目の不規則さは有機物のような感覚を覚えます。
草間弥生の「ネット・ペインティング」の絵画作品...