第26回東京フィルメックス
『女の子(女孩)』スー・チー(舒淇)監督インタビュー
中華圏映画界で活躍し、数多くの名匠たちの現場で呼吸をしてきたスー・チー(舒淇)。その彼女が初めてメガホンを取った『女の子(女孩)』は、観る者の予想を静かに裏切る作品だ。
彼女が向き合ったのは、自らの過去や記憶、ふいに訪れる痛みの断片、そして決して完全には理解することのできない存在としての母――自分とは異なる人生を歩み、独自の時間と感情を背負った一人の人間だった。脚本の完成までに10年の歳月を費やしたというその孤独な作業のそばには、監督を志すきっかけをもたらし、彼女を励ましてきた師・ホウ・シャオシェン(侯孝賢)の存在があったに違いない。
まずは監督本人へのインタビューによって、この稀有な映...