俳優小松拓也の『中国電影事情』第五回 ”私の人生を変えた1本の香港映画”
私の人生を変えた1本の香港映画
私には自分の人生を変えた一本の映画がある。
それは、1995年、17歳の夏に観た『恋する惑星』という香港の巨匠、王家衛(ウォン・カーウァイ)監督が描いた作品で、当時はまだ日本で無名であった金城武やフェイ・ウォン、トニー・レオンらの名前を一躍有名にした映画でもある。
当時高校3年生であった私は所属することになったばかりのプロダクションの社長の薦めでこの作品を観に行くことになる。そしてそこで受けた衝撃は自分の想像を遥かに超えるインパクトであった。
なにせ進路で悩んでいた当時の自分の道を、中国語の語学留学というその時まで全く思い描いてすらいなかった別の道へと導い...