画像2: 四天王立像(多聞天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(多聞天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

極論を言ってしまうなら、煤や埃が溜まった層ができているということは、作品の表面に保護膜ができた状態でもあり、その汚れの層を取り除くということは本来の彩色が一緒に剥落してしまう危険まであるのだ。

画像1: 四天王立像(多聞天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(多聞天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

画像3: 四天王立像(多聞天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(多聞天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

画像2: 四天王立像(多聞天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(多聞天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

洋画の油絵であれば完成後に保護膜としてニスを塗る慣習もあった。これも埃や汚れがこびりついてもニスを除去すれば元の色彩が取り戻せるというほど単純な話ではなく、レンブラントなどはその暗闇の表現に、ニスを塗ると画面がより暗く見えることも計算に入れていたのではないか、という説もあったりして、作られたり描かれた当時の作者の意図した表現を取り戻す修理や修復は、そう単純に割り切れるものでもないのは洋の東西を問わない。

ちなみにフレデリック・ワイズマン監督の傑作ドキュメンタリー映画『ナショナル・ギャラリー』(https://www.cetera.co.jp/treasure/)では、絵画の修復をめぐってこのニスの問題などが論じられるシーンが繰り返されていた

画像2: 四天王立像(持国天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(持国天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

そんなことも念頭に置きながら、この修理が終わった四天王立像は、背面にも回ってよく細部まで見て頂きたい。衣の後ろの裾に至るまで、いかに華やかな像だったのかが実感できるだろう。

画像2: 四天王立像(増長天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(増長天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

増長天の背後の裾は、汚れを落とすと一緒に彩色や、細かな凹凸で立体的にあしらわれた模様が剥がれてしまうリスクがあったのだろうか? 黒ずんだままではあるが、うっすらと赤と黒で塗り分けられていたことが分かる衣の裾だけでなく、真っ黒なままではあるが腰のベルトの部分から下がる鎧の裾も、漆か土を盛り上げているのだろうか、立体的な紋様で覆われている。

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