四天王は本来、経典に基づいて肌の色がそれぞれ違う。クリーニング作業によって窪んでいて彩色が剥落しにくい部分に残された顔料がくっきり浮かび上がり、たとえば増長天の顔が真っ赤だったことなど、よく分かるようになった。

画像2: 四天王立像(増長天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(増長天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

 下半身、鎧と衣の裾の部分も、仏堂内に並べられた状態では周りに他の仏像や供物などが置かれて上半身ほど露出することが少なかったせいだろうか、緻密で華やかな装飾がよく残っていたことが、今回の修理で明らかになった。

画像1: 四天王立像(増長天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(増長天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

ぜひ近寄って、特に奥まった股の間の衣の部分の華やかさを見て欲しい。

とりわけ四体並べられた展示の中央・前列右側の持国天の袖と裾は、黒に赤と金の取り合わせの緻密で細い線で描かれた草花の模様には息を呑む。

画像1: 四天王立像(持国天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(持国天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

全身で見るとどうしても影になってしまってパッと目には気がつかないかも知れないので、ここはぜひ意識して頂きたい注目ポイントだ。

画像: 四天王立像(持国天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財 全身だけ見ていると、股の間の模様などは明暗でどうしても見落としてしまう。

四天王立像(持国天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財
全身だけ見ていると、股の間の模様などは明暗でどうしても見落としてしまう。

広目天では袖口と裾の股の間の衣が、同じ黒地に金の線の花の紋様で飾られている。

画像1: 四天王立像(広目天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(広目天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

背後に伸びる衣の裾は、黒地に金、青、赤でやはり草花の紋様がびっしり描き込まれ、鎧の金で描かれた幾何学的なパターンと対照的だ。

画像2: 四天王立像(広目天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(広目天・部分) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

こうしたクリーニング作業も、細心の注意が必要だという。綿棒などで慎重に慎重を期して汚れを落としていくのだが、溶剤に用いるのも基本は、水なのだそうだ。

ただ表面の汚れを取ったら綺麗な、本来の色彩が見える、というわけにもいかないそうで、あまりに鮮やかな色彩が見えるということは、彩色の表面も削り取ってしまっていて、塗装された膜の中が表に出てしまっているので鮮やかに見える、つまり実は表面を傷つけてしまっている可能性もあるというのだ。

画像: 四天王立像(広目天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

四天王立像(広目天) 鎌倉時代・13世紀 京都・現光寺 京都府指定文化財

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