円山応挙・写生の奇跡「雪松図屏風」と、京都の豪商としての三井家の意地〜三井記念美術館『国宝 雪松図と明治天皇への献茶』
雪が降った夜の明けた、晴れた朝に映える二本の松。紙と墨つまり白と黒と、金のふた通りの使い方のみのシンプルさで、自然の神々しさの一瞬を切り取った円山応挙の「写生」の傑作中の傑作は、三井記念美術館で毎年お正月の時期に展示される。同じく松を描いた国宝の屏風では長谷川等伯の「松林図屏風」も東京国立博物館の正月展示の定番(1月2日から)で、東京の年始といえば毎年このふたつの国宝の松を門松代りに見られる。
*本文の文責は藤原個人・美術館側の見解ではありません。
*写真は特別な許可を得て取材時に撮影。展覧会での撮影はできません。
またやはり国宝に指定された三井記念美術館の所蔵品、つまりかつて三井家が熱...