13年ぶりに銀幕に蘇る!ウォン・カーウァイ映画の凡ては、原点にして傑作『欲望の翼』と交わる
衝撃と陶酔、そして喪失感
1990年に製作された香港映画界の巨匠、ウォン・カーウァイ監督の第2作目である『欲望の翼』
筆者は、1996年6月、テレビ東京で特番「地球に墜ちてきた天使『天使の涙』をめぐる愛』を演出する際、監督デビュー作『いますぐ抱きしめたい』、監督第2作目の『欲望の翼』と続けて観たのが最初の作品鑑賞だった。
『いますぐ抱きしめたい』は、スタイリッシュな香港ノワール物でアンディ・ラウ、マギー・チャン、ジャッキー・チュンと3名のキャストは『欲望の翼』ともカブるものの、以降のカーウァイ作品特有の美学はさほど感じられない商業的な作品。監督第2作目の『欲望の翼』は、それまでの香港映画...