「エンタメ通訳の独り言」(その八)
デヴィッド・ボウイとの幸せな思い出4 小林禮子
デビッドはインタビューでいつも、自分の音楽の原点は6歳まで暮らしたブリクストンにあると答えていました。現在のブリクストンは、魅力的なマーケットが毎日開かれているロンドンの下町です。ですが、デビッドが幼い頃はカリブ・アフリカ系移民の多い、ロンドンでも、もっとも治安が悪いと言われた地区の一つでした。
「一歩家を出るとそこは毎日が、テーマパークのようなワンダーランドだった。通りにはさまざまな音楽がラジオから流れていて、さまざまな人種の人たちがさまざまな言葉を話しながら歩いていた。家の外にテーブルや椅子を出してみんながごちゃごちゃ、自分勝手に楽しそうにいろいろやっている。きょろきょろしていると必...