カバー画像 重要文化財《如意輪観音坐像》 平安時代(10世紀)
*通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil 

世界遺産となっている醍醐寺は、平安時代から「花の醍醐」と呼ばれる桜の名所で、豊臣秀吉が晩年、贅を尽くした「醍醐の花見」を行ったことでも知られています。
醍醐寺は、真言宗醍醐派の総本山であり、平安時代前期の貞観16年(874)、空海から数えて曾孫弟子にあたる理源大師聖宝(りげんだいししょうぼう)によって創建されました。

真言密教の拠点寺院として重要な役割を果たし、醍醐山山上(上醍醐)と山裾(下醍醐)の二つの伽藍からなる醍醐寺は、山の寺としての性格を持ち、国家安泰や祈雨など種々の祈願の場として、また江戸時代初期からは修験道の拠点寺院として発展し、国宝の五重塔や金堂など歴史的建造物が立ち並び、貴重な文化財が数多く伝来しています。

このたび、大阪中之島美術館において、大阪で初めてとなる醍醐寺の大規模名宝展「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」が2024年6月15日~8月25日まで開催されます。

本展では、醍醐寺の歴史と美術が、「山の寺 醍醐寺」「密教修法のセンター」「桃山文化の担い手」の3つの章により紹介されています。
国宝《文殊渡海図》、重要文化財《不動明王坐像 快慶作》、《舞楽図屏風 俵屋宗達筆》など、醍醐寺に伝わる国宝14件、重要文化財47件を含む約90点の、創建以来、連綿と受け継がれてきた荘厳で絢爛豪華な寺宝を是非、ご鑑賞ください。

また、5つのコーナー展示「秘法継承」「密教法具一神秘の造形」「修験の寺」「引き継がれる聖宝の教えー顕密兼学の精神」「醒醐寺の近代・現代美術」により、密教の世界を体感して頂けます。
醍醐寺の法要により魂が吹き込まれた、落合陽一氏による作品「オブジェクト指向菩薩」の展示や、慶應SFCの先端技術を応用したデジタル曼荼羅ライブなど、初めて仏教美術をご覧になる方も楽しんで頂けます。
本展は醍醐寺の開創1150 年を記念する、貴重な国宝が多数展示される展覧会で、巡回はございません。貴重なこの機会にお運びください。

第1章 山の寺 醍醐寺

醍醐寺は醍醐山の頂上にある上醍醐と、山麓の下醍醐から構成されています。
本来、醍醐寺の始まりは上醍醐にあり、平安時代前期の貞観16年(874)、理源大師聖宝が笠取山の山頂に草庵を結び、准胝(じゅんてい)観音と如意輪観音を祀(まつ)ったのが醍醐寺の始まりです。
やがて醍醐寺は醍醐天皇の御願寺となり、天皇の庇護のもと上醍醐に薬師堂や五大堂が建立されました。

画像: 《理源⼤師坐像 吉野右京種久作》 江戸時代 延宝2年(1674) *通期展示「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

《理源⼤師坐像 吉野右京種久作》 江戸時代 延宝2年(1674)
*通期展示「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

やがて醍醐寺は醍醐天皇の御願寺となり、天皇の庇護のもと上醍醐に薬師堂や五大堂が建立されました。

画像: 重要文化財《如意輪観音坐像》 平安時代(10世紀) *通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

重要文化財《如意輪観音坐像》 平安時代(10世紀)
*通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

本像《如意輪観音坐像》は、創建当時のものではありませんが、多くの仏像の中でも醍醐寺の起源を象徴する仏像とされています。

画像: 重要⽂化財《帝釈天騎象像》 平安時代(10世紀) *通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

重要⽂化財《帝釈天騎象像》 平安時代(10世紀)
*通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 
大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

帝釈天はインド神話の軍神インドラ。仏教では梵天とともに守護神となりました。

第2章 密教修法(すほう)のセンター

密教の修法(加持・祈祷の作法)は種々の願いに対応する多様性を有していますが、同じ修法でも寺院や流派によって作法が異なり、独自の秘法は門外不出とされることが多かったようです。
本章では、平安時代から鎌倉時代の作品を中心に、仏像や仏画、密教法具が展示されています。皇族や貴族の信仰を集めた醍醐寺の美術品は、一流の仏師や絵師の手になるものが多く、人に恐怖心さえ起こさせる仏(ほとけ)の姿にも、どこか優美さが漂っています。

画像: 重要文化財《不動明王坐像 快慶作》 鎌倉時代 建仁3年(1203) *通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

重要文化財《不動明王坐像 快慶作》 鎌倉時代 建仁3年(1203)
*通期展示 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

不動明王は大日如来の化身で、密教ならではの本尊です。憤怒の形相ながらも端正で品格が感じられる面持ちです。

画像: 左 国宝《文殊渡海図》 鎌倉時代(13世紀) *前期展示(7月21日まで)「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

左 国宝《文殊渡海図》 鎌倉時代(13世紀)
*前期展示(7月21日まで)「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

本作は、文殊菩薩が善財童子を先導に4人の従者と雲に乗って海を渡り、仏教を広める旅に出る様子を描いたもの。

第3章 桃山文化の担い手

室町時代の文明2年(1470)、下醍醐は兵火によって五重塔を残して灰燼(はいじん)に帰しました。
この復興に尽力したのが天正4年(1576)に醍醐寺座主となった義演(ぎえん)です。復興は豊臣秀吉によるところが大きいですが、義演は秀吉とも渡り合える度量をあわせ持っていました。

画像: 《豊臣秀吉像》 江戸時代(18世紀) *通期展示 画像提供:奈良国立博物館

《豊臣秀吉像》 江戸時代(18世紀)
*通期展示 画像提供:奈良国立博物館

秀吉は慶長3年(1598)に贅を極めた「醍醐の花見」を行ったように、醍醐寺に対して特別な想いを持っていました。茶会で使われた秀吉ゆかりの煌びやかな茶道具もみどころです。

秀吉の死後も北政所をはじめとした豊臣氏による復興は続き、金堂、仁王門、上醍醐の諸堂が再興されたのです。今日醍醐寺には三宝院の長谷川派の襖絵をはじめ、俵屋宗達の舞楽図屏風や扇面散図屏風など近世の名画が数多く伝わっています。
醍醐寺は桃山の美の殿堂という密教寺院とは別の顔を持っており、それが醍醐寺の大きな魅力となっています。徳川の世になっても醍醐寺に対する庇護は続き、堂宇や仏像の復興が行われました。

画像: 《金天目及び金天目台》 安土桃山時代(16世紀) *通期展示 画像提供:奈良国立博物館

《金天目及び金天目台》 安土桃山時代(16世紀)
*通期展示 画像提供:奈良国立博物館

画像: 重要文化財《⾦剛夜叉明王⽴像》(上醍醐五⼤堂五⼤明王像のうち) 頭部:鎌倉時代(13世紀) 体部:江戸時代 慶長10年(1605) ※通期展⽰「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

重要文化財《⾦剛夜叉明王⽴像》(上醍醐五⼤堂五⼤明王像のうち) 頭部:鎌倉時代(13世紀) 体部:江戸時代 慶長10年(1605)
※通期展⽰「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

上醍醐五大堂の本尊五大明王の中の大威徳明王の本体は創建時のもので他の4体は慶長10年(1605)の火災後、豊臣秀吉を施主とする慶長13年の再興像です。

画像: 重要文化財《舞楽図屏風 俵屋宗達筆》二曲一双(左隻) 江戸時代(17世紀) *後期展示(7月24日から) 画像提供:奈良国立博物館

重要文化財《舞楽図屏風 俵屋宗達筆》二曲一双(左隻) 江戸時代(17世紀)
*後期展示(7月24日から) 画像提供:奈良国立博物館

画像: 重要文化財《舞楽図屏風 俵屋宗達筆》二曲一双(右隻) 江戸時代(17世紀) *後期展示(7月24日から) 画像提供:奈良国立博物館

重要文化財《舞楽図屏風 俵屋宗達筆》二曲一双(右隻) 江戸時代(17世紀)
*後期展示(7月24日から) 画像提供:奈良国立博物館

《風神雷神図》でも有名な俵屋宗達が、醍醐寺のために描いた屏風。二曲一双に舞楽の情景が描かれ、華やかな金箔地に雅やかな舞人の動きが表現されています。

悠久の歴史を引き継ぎ、豊かな密教文化を伝える名刹・醍醐寺は、桃山文化の精華である国宝、重要文化財となった名品の宝庫でもあります。
豊臣秀吉が愛した醍醐寺はいまなお、人々を魅了し続けるでしょう。

画像1: 醍醐の桜AR 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

醍醐の桜AR 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

桜ミク(初音ミク)とのスペシャルコラボ。華やかかわいい、「桜ミクが舞う。醍醐の桜AR」が展示されています。

令和の新しい醍醐寺展「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」、お愉しみください。

画像2: 醍醐の桜AR 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

醍醐の桜AR 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

画像: 「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」 大阪中之島美術館 photo by ©cinefil

展覧会概要

展覧会名「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展
会期 2024年6月15日(土)~2024年8月25日(日)
前期:6⽉15⽇(⼟)〜7⽉21⽇(⽇)後期:7⽉24⽇(⽔)〜8⽉25⽇(⽇)※会期中展⽰替えあり会場 大阪中之島美術館 4階展示室
住所 大阪府大阪市北区中之島4-3-1
時間 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 月曜日、7月23日(火)※7月15日(月・祝)、8月12日(⽉・休)は開館
観覧料
一般 1,800円(1600円) 高大生1,100円(900円) 小中生 500円(300円)
※( )内は20名以上の団体料金。団体鑑賞を希望される場合は事前申込みが必要。
※障がい者手帳などをお持ちの方(介護者1名を含む)は当日料金の半額(要証明)。
※本展は、大阪市内在住の65歳以上の方も一般料金が必要。
TEL 06-4301-7285(⼤阪市総合コールセンター 8:00〜21:00 年中無休)            URL https://nakka-art.jp/exhibition-post/daigoji-2024/

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「開創1150 年記念 醍醐寺 国宝展」@大阪中之島美術館シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2024年7月1日 月曜日 24:00
記載内容
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