映画監督・旦 雄二の ☆ それはEIGAな! Cool! It's a movie! ♯13(通算 第32回) 映画『夏をゆく人々』を鑑賞して-cinefil.tokyo
「刹那」という言葉がある。この珠玉の名作を観てからというもの、その言葉が頭から離れない。
映画『夏をゆく人々』(監督・脚本 : アリーチェ・ロルヴァケル)。
イタリア・トスカーナの田舎町に暮らす養蜂家の家族の、とくにその幼い娘たちの上を風のように通り過ぎる、まるで淡い夢のような、一瞬の夏を描いた物語である。
ひと夏という かけがえのない時間、手のひらからこぼれ落ちる砂粒のようにけっして二度とは戻らない「刹那」を描いて、この映画は、はかなく、せつなく、美しい。
青い海にきらめく真夏の陽光。深い洞窟の壁に照らしだされる篝火のあかり。水たまりに映り、娘の足先と戯れる天空からの光──。そう、これ...