『映画のメティエ 欧米篇・日本篇』刊行記念
筒井武文監督インタビュー
膨大なフィルムに目を通し、無数の光と影を身体に通過させてきた者だけが辿り着ける場所がある。筒井武文は、誰よりも映画を見てきた。だからこそ、批評においてはショットの構造、語りの配置、時間と空間のねじれを、精密な言葉で解体し、映画史を編み直す。そして同時に、彼はその眼差しを保ったまま、作り手としての自由も手放さない。予期せぬ光、偶然の揺らぎ、レンズの向こうに立ち上がる未知の気配──そこにこそ映画の愉しさがあると、筒井は知っている。
『映画のメティエ 欧米篇・日本篇』は、こうした批評と創作の交差点に立つ著者による、映画という営みの根源をもう一度見つめ直す旅の記録である。リュミエール兄弟から田村...