「妖しい」だけではない 甲斐荘ワールドの魅力全開!
開館60周年記念 甲斐荘楠音の全貌―絵画、演劇、映画を越境する個性
大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家・甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと)(1894-1978)。一度観たら忘れられない強烈な印象を受ける甲斐荘の描く世界は、単なる美人画にとどまらず、妖しい微笑みを浮かべる女性や、妖艶で生々しい女性、嫉妬や情念さえ感じられる恐ろしい女性などを描いたもので、第1回国画創作協会展で鮮烈なデビューを飾りました。
美醜相半ばする人間の内面を描き出した甲斐荘は、伝統的な花鳥風月を愛し、楚々とした美人画を重んじる京都画壇において、ひときわ異才を放っていたのです。
更に彼の才能は、日本画を描くだけにとどまらず、やがて映画界へ転身し、溝口健二監督のもと衣裳・時代・...