大人のパリ映画散歩 第2回 カルチエ・ラタン-2
マルブランシュ通りとパリ大学礼拝堂
スフロ通りまで戻り、途中を左(西)に折れると『昼下がりの情事』(1957)のオードリー・ヘプバーンがモーリス・シュヴァリエ演じる父親と暮らすアパルトマンがある。華奢なオードリーが、重いチェロを抱えて階段を上るあのアパルトマンだ。『ミッドナイト・イン・パリ』ではブリックトップへと繰り出した車が同じこのアパルトマンの前あたりで停車するシーンも撮られている。さらに、小説家を目指す主人公のギルに創作上のアドバイスをするガートルード・スタイン(アメリカの著作家、評論家)の住むアパルトマンもこの目と鼻の先だ(実際の彼女のパリの住居は別の場所だったが)。道が途中で上...