歌の天才は「仙人」レベルの、まるで神様? 日本人と「五七五七七」の関係の不思議に迫る〜京都国立博物館「流転100年 佐竹本三十六歌仙絵と王朝の美」展
「三十六歌仙」とは、平安時代と奈良時代の伝説的な和歌の名手を三十六人を選んだものだ。それもただの「歌の天才」ではない。
なにせ「仙人」の「仙」だ。ほとんど信仰めいたオーラが伴うというか、しかもこの展覧会のメイン・テーマである、歌仙たちを描いた元は二巻の絵巻物だった「三十六歌仙絵」(秋田の大名・佐竹家に伝来していたため「佐竹本」と呼ばれる)には、この36人に加えて「住吉大明神」、大坂・住吉大社の祭神という、本物の神サマまでが含まれている。一応(?)人間である36人も、特に柿本人麻呂は神格化されて神社もあり、和歌・詩歌の神様だけでなく、なぜか防火の霊験もあるらしい(「ひとまろ」が訛って「ひと...