六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビュー(屋内展望台)において「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」が、6月4日まで開催されています。

ヘザウィック・スタジオは、1994年にロンドンで設立されました。この30年の間にニューヨーク、シンガポール、上海、香港など世界各地で革新的なプロジェクトを生み出した、世界が最も注目するデザイン集団のひとつといえます。この企画展は、ヘザウィック・スタジオの主要プロジェクト28件を日本で初めて展示するものです。本展ではそのプロジェクトを「ひとつになる」、「みんなとつながる」、「彫刻的空間を体感する」、「都市空間で自然を感じる」、「記憶を未来へつなげる」、「遊ぶ、使う」の6つの視点から紹介しています。

会場デザインも日本の暖簾や垂れ幕に着想を得て、スタジオが手掛けました。
完成した様子だけでなく、試行錯誤を重ねた多様なプロジェクトの模型や素材サンプルなども併せて展示しています。

画像: 展示風景より:イントロの大空間の様子 photo©️saitomoichi

展示風景より:イントロの大空間の様子

photo©️saitomoichi

ロンドン市内を走る二階建てバスも、ヘザウィック・スタジオが50年ぶりにデザインをリニューアルしました。展望台吹き抜けの大空間を活かして展示された原寸大模型(部分)に圧倒されます。

画像: 展示風景より:《新ルートマスター(市バス)》の原寸大模型(部分) photo©️saitomoichi

展示風景より:《新ルートマスター(市バス)》の原寸大模型(部分)
photo©️saitomoichi

画像: 展示風景より:《新ルートマスター(市バス)》 photo©️saitomoichi

展示風景より:《新ルートマスター(市バス)》
photo©️saitomoichi

綿密に考案された数々の部分が集合することによって強い説得力のある全体が生み出される、というヘザウィック・スタジオのデザインコンセプトを反映したセクション1「ひとつになる」では、2010年上海万博でパビリオン・デザイン部門の金賞を受賞した、なんとアクリル棒6万本からなる《上海万博英国館》や、花びらのようなオブジェで構成された《ロンドン・オリンピック聖火台》などが展示されています。

画像: 展示風景より:《上海万博英国館》 photo©️saitomoichi

展示風景より:《上海万博英国館》
photo©️saitomoichi

画像: 展示風景より:《上海万博英国館》の内部構造が分かる断面模型 photo©️saitomoichi

展示風景より:《上海万博英国館》の内部構造が分かる断面模型
photo©️saitomoichi

セクション3は「彫刻的空間を体感する」です。ヘザウィック・スタジオのデザインの特徴である彫刻的なかたちはヒューマン・スケールで考えられており、素材や質感にはアーティストや職人の手作業による温もりが感じられます。

画像: 展示風景より:左奥《ヴェッセル》、左手前《海南舞台芸術センター》、右《パーテルノステル通気口》 photo©️saitomoichi

展示風景より:左奥《ヴェッセル》、左手前《海南舞台芸術センター》、右《パーテルノステル通気口》
photo©️saitomoichi

セクション5「記憶を未来へつなげる」では、当初の役割を終えた建築物の記憶を未来へ繋げる、そこで時間を過ごした人々の記憶を残そうという強い意思が読み取れます。《ツァイツ・アフリカ現代美術館》や《ボンベイ・サファイア蒸留所》のプロジェクトでは、建物の元のデザインを生かしながら、復元・修復と共に大胆な改装を実現しています。

画像: 展示風景より:《ツァイツ・アフリカ現代美術館》 photo©️saitomoichi

展示風景より:《ツァイツ・アフリカ現代美術館》
photo©️saitomoichi

セクション6「遊ぶ、使う」では遊び心にあふれたヘザウィック・スタジオのデザインに触れることができます。円形から楕円に、また楕円から円形に自由に形を変えることができる《フリクション・テーブル》や、人が座ったまま360度弧を描いて回転する椅子《スパン》。これらの自由で柔軟な発想は家具スケールだけでなく建築スケールにも活かされています。

画像: 展示風景より:「遊ぶ、使う」のエリア photo©️saitomoichi

展示風景より:「遊ぶ、使う」のエリア
photo©️saitomoichi

画像: 展示風景より:《スパン》「Courtesy: Magis」 実際に座って遊び心あふれるデザインを体感できる。 photo©️saitomoichi

展示風景より:《スパン》「Courtesy: Magis」 実際に座って遊び心あふれるデザインを体感できる。
photo©️saitomoichi

へザウィック・スタジオの創設者トーマス・へザウィック(1970年、英国生まれ)は、子どもの頃、職人が作った小さなものに宿る魂に心を躍らせていたそうです。そして建築という大きな建物や空間にもその魂を込めることはできるのかという問いが、ヘザウィック・スタジオのデザインの原点とのことで、それが展開されたプロジェクトの数々を見るのは本当に楽しいです。

海外のプロジェクトばかりかと思っていたら、日本における初めての作品「麻布台ヒルズ・低層部」が2023年中に完成する予定です。彼らの創り出す空間を体験できるのももうすぐ!
その前に、まずは展覧会に足を運んでみましょう。

概要

会期:開催中〜2023年6月4日
会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
住所:東京都港区六本木6-10-1
開館時間:10:00〜22:00 ※入館は21:00まで
休館日:会期中無休
料金:[当日] 一般 2000円(2200円) / 高校・大学生 1400円(1500円) / 4歳〜中学生 800円(900円) / 65歳以上 1700円(1900円) ※()内は土日祝価格
※本展は、事前予約制(日時指定券)を導入しています。専用オンラインサイトから「日時指定券」をご購入ください。
※専用オンラインサイトはこちら。
https://visit.mam-tcv-macg-hills.com
※当日、日時指定枠に空きがある場合は、事前予約なしでご入館いただけます。
※表示料金は消費税込
問合せ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)
公式サイト:https://www.mori.art.museum

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2023年4月30日 日曜日 24:00
記載内容
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