馥郁とした梅の香に、春の訪れが感じられる頃となりました。
このたび、京都・相国寺承天閣美術館では、3月11日より企画展「禅寺に伝わるものがたり」が開催されます。「温故知新」、いにしえの禅寺に伝わる様々なものがたりに由来する美術品をご覧頂き、心洗われるひとときをお過ごしください。
相国寺は1392年に夢窓疎石を開山とし、室町幕府三代将軍 足利義満によって創建された禅宗寺院で、足利義満ゆかりの鹿苑寺(金閣)や足利義政ゆかりの慈照寺(銀閣)も相国寺の山外塔頭に含まれています。
その広い境内の庭園の静謐な空間に相国寺承天閣美術館があります。
600年余の歴史により、中近世の墨蹟・絵画・茶道具を中心に伊藤若冲、円山応挙、長谷川等伯など多くの優れた文化財が伝来しています。
第一展示室には、金閣寺境内に建つ金森宗和造と伝えられる茶室「夕佳亭(せっかてい)」を復元、第二展示室には近世京都画壇の奇才、伊藤若冲による水墨画の傑作である重要文化財「鹿苑寺大書院障壁画」の一部が移設されています。是非この機会にご堪能ください。
それでは、展覧会構成に従って「禅寺に伝わるものがたり」(Ⅰ期 仏教説話と漢故事、Ⅱ期無外如大尼生誕八百年記念 女性と仏教)のいくつかの作品を観ていきましょう。
Ⅰ期 仏教説話と漢故事
仏教の教え、禅の教えの中には、数多くの先徳たちの逸話がちりばめられています。
それは文字として経典に記され、そこに記された仏・諸菩薩や先徳たちは絵画化され、仏教美術が花開きました。
寺院空間を荘厳する様々な作品の意匠には、中国の故事由来の画題も多く取り入れられました。
第一章 観音様のものがたり
三十三という数は、観音菩薩が三十三の姿に変わって人々を救いにくるという『法華経』の普門品に説かれた内容を元とします。相国寺の僧、文室宗言が描いた三十三幅には様々な姿で描かれています。相国寺を代表する法要、観音懺法でもかつては掛けられました。観音を勧請する空間を彩った作品を一同にご覧ください。
第二章 お釈迦様のものがたり
第三章 禅僧たちのものがたり
第四章 大陸の先徳たちのものがたり
禅宗のお寺で目にする絵画の画題は様々です。インドから中国大陸を経て日本にもたらされた仏教の経典に描かれる世界、そして儒教や道教に由来する人物の逸話を描いた作品など、日本では見ることのできない世界を描いた作品が多く伝来しています。
Ⅱ期 無外如大尼生誕八百年記念 女性と仏教
令和5年(2023)は、臨済宗の尼僧、無外如大(むがいにょだい 1223~1298)尼の生誕800年にあたります。彼女は、臨済宗において女性で、仏光国師無学祖元の法を継いだ最初の尼とされています。
相国寺派寺院伝来の寺宝から、無外如大尼の時代から近世に至るまでの女性と仏教のかかわりを探ります。
第一章 無外如大の学んだ禅
第二章 無外如大と眞如寺
第四章 寺宝に描かれた女性
第五章 近世の皇女と禅
第六章 近世の皇女による寄進
相国寺山外塔頭鹿苑寺(金閣)の方丈は延宝六年に後水尾院によって再建されました。その棟札には、後水尾院皇女、光子内親王の執奏により行われたことが記されています。そして、その光子内親王(出家後 照山元瑶)の描いた観音像などが相国寺の複数の塔頭に伝来しています。宝鏡寺や大聖寺などに入寺した皇女たちの描いた絵画や墨蹟が初公開されます。
時を超え、「禅寺に伝わるものがたり」から仏教美術の「粋」が伝わってきます。
都会の喧騒を離れ、春の京都で、幸せな時間をお過ごしください。
展覧会概要
場所 京都 相国寺承天閣美術館
住所 〒602-0898 京都市上京区今出川通烏丸東入 相国寺内
会期 Ⅰ期 2023年3月11日(土)~5月7日(日)
Ⅱ期 2023年5月28日(日)~7月16日(日)
休館日 2023年5月8日(月)〜5月27日(土)
時間 10:00~17:00 (入館は16:30まで)
拝観料 一般 800円 65歳以上・大学生 600円 中高生 300円
小学生 200円
※一般の方に限り、20名様以上は団体割引で各700円
主催 相国寺承天閣美術館
特別協力 眞如寺(Ⅱ期)
協賛 一般財団法人 萬年会 鹿苑寺 慈照寺
シネフィルチケットプレゼント
下記の必要事項、をご記入の上、「相国寺承天閣美術館 禅寺に伝わるものがたり」@京都 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2023年4月3日 月曜日 24:00
記載内容
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