平安時代の『伊勢物語』や『源氏物語』に描かれる華やかで優美な世界。
そんな貴族文化の雅(みやび)への憧れは、現代の私たちのみならず、江戸時代の人々もまた、強く抱いていました。

今回は百人一首で有名な歌人・藤原定家の墓所で、定家ゆかりの寺宝を有する京都・相国寺より、「王朝文化への憧れ―雅の系譜」の展覧会を紹介させていただきます。

相国寺塔頭の慈照院には、桂離宮や古今伝授で有名な八条宮智仁親王の菩提所として、宮家ゆかりの寺宝が多く伝来しています。

江戸時代に描かれた伊勢・源氏物語の屏風絵とともに、江戸時代の公家の和歌や絵画を通して、古(いにしえ)の日本の風情が感じられる王朝文化の世界をお愉しみください。
それではシネフィルでも展覧会構成に従って、いくつかの作品を観ていきましょう。

第一章 伊勢物語の面影

『伊勢物語』は平安時代に成立した歌物語。在原業平の和歌や逸話をもとに構成され、後世に大きな影響を与えました。

画像: 重要文化財《蔦の細道図屏風》(左隻)俵屋宗達筆 烏丸光広賛 (つたのほそみちずびょうぶ たわらやそうたつひつ からすまるみつひろさん) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 17世紀 相国寺蔵 ※Ⅱ期

重要文化財《蔦の細道図屏風》(左隻)俵屋宗達筆 烏丸光広賛
(つたのほそみちずびょうぶ たわらやそうたつひつ からすまるみつひろさん)
 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 17世紀 相国寺蔵 ※Ⅱ期

第二章 源氏物語への憧れ

『源氏物語』は平安中期の長編小説。全五十四帖に、主人公光源氏の人生を軸に華麗なる王朝物語が繰り広げられます。

画像: 重要文化財《源氏夕顔蒔絵手箱》(げんじゆうがおまきえてばこ) 一合 室町時代 14世紀 相国寺蔵 ※Ⅰ期

重要文化財《源氏夕顔蒔絵手箱》(げんじゆうがおまきえてばこ)
 一合 室町時代 14世紀 相国寺蔵 ※Ⅰ期

第三章 和歌の伝統

和歌は、天皇の命で勅撰和歌集が編まれるなど、日本文化の核となる詩歌形態である。時代ごとに様々な人物が和歌を詠じてきました。

画像: 重要文化財《佐竹本三十六歌仙絵 源公忠》 (さたけぼんさんじゅうろくかせんえ みなもとのきんただ) 一幅 紙本著色 鎌倉時代 13世紀 相国寺蔵 ※Ⅰ期

重要文化財《佐竹本三十六歌仙絵 源公忠》
(さたけぼんさんじゅうろくかせんえ みなもとのきんただ)
一幅 紙本著色 鎌倉時代 13世紀 相国寺蔵 ※Ⅰ期

画像: 《三十六歌仙画帖 岩佐又兵衛筆》 (さんじゅうろっかせんがじょういわさまたべいひつ)  一冊 紙本着色 桃山時代 相国寺蔵

《三十六歌仙画帖 岩佐又兵衛筆》
(さんじゅうろっかせんがじょういわさまたべいひつ)  一冊 紙本着色 桃山時代 
相国寺蔵

第四章 相国寺と禁裏

京の禁裏近くに室町時代より在り続けた相国寺には、公家の子弟も多く入寺し、公家文化の一端を担ってきました。

みどころ 1 江戸時代の華やかな王朝物語屏風

平安時代の王朝文化を伝える『伊勢物語』や『源氏物語』をもとに、後世多くの作品が制作されました。
物語の複数の場面を描いた屏風や登場人物を描かずに場面を想起させる意匠の工芸品、そして作品由来の銘をもつ茶道具など、王朝の物語が日本文化のなかに様々な形態となって浸透していった諸相をご覧ください。

画像: 《源氏物語図屏風》(左隻)狩野常信筆 (げんじものがたりずびょうぶ かのうつねのぶひつ) 六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 17世紀 相国寺蔵

《源氏物語図屏風》(左隻)狩野常信筆
(げんじものがたりずびょうぶ かのうつねのぶひつ)
六曲一双 紙本金地著色 江戸時代 17世紀 相国寺蔵 

画像: 《色絵龍田川透かし鉢》 尾形乾山作 (いろえたつたがわすかしばち おがたけんざんさく) 一口 江戸時代 17~18世紀 慈照寺蔵 ※Ⅰ期

《色絵龍田川透かし鉢》 尾形乾山作
(いろえたつたがわすかしばち おがたけんざんさく)
一口 江戸時代 17~18世紀 慈照寺蔵 ※Ⅰ期

みどころ 2 伝来の名宝

中世から近世にかけて相国寺には、公家出身の僧侶も多く在籍していました。在俗時の血縁者を中心に出家後も禁裏との交流が続いたことが、相国寺派の什物から確認できます。特に、江戸時代前期の文化復興の中心的存在であった後水尾院と相国寺はゆかりが深く、院の寄進した伽藍は焼失してしまっても、様々な什物が今に伝来しています。
また、塔頭寺院にも公家文化が深く浸透していました。八条宮家ゆかりの慈照院や藤原定家ゆかりの各塔頭に残る公家文化とのかかわりを示す什物が公開されています。

画像: 《八条宮家初代智仁親王画像》(はちじょうのみやけしょだいとしひとしんのうがぞう) 一幅 絹本著色 江戸時代 17世紀 慈照院蔵 ※初公開

《八条宮家初代智仁親王画像》(はちじょうのみやけしょだいとしひとしんのうがぞう)
一幅 絹本著色 江戸時代 17世紀 慈照院蔵 ※初公開

画像: 重要美術品《後水尾天皇宸翰和歌詠 此ころの時雨に》 (ごみずのおてんのうしんかんわかえい このころのしぐれに) 一幅 紙本墨書 江戸時代(承応3年・1654) 鹿苑寺蔵 ※Ⅱ期

重要美術品《後水尾天皇宸翰和歌詠 此ころの時雨に》 
(ごみずのおてんのうしんかんわかえい このころのしぐれに)
一幅 紙本墨書 江戸時代(承応3年・1654) 鹿苑寺蔵 ※Ⅱ期

京都・相国寺承天閣美術館で、江戸時代に描かれた伊勢・源氏物語の屏風絵や、意匠の工芸品、茶道具、公家の和歌や絵画により、雅やかな王朝文化をご堪能いただき、至福のひとときをお過ごしください。

展覧会概要

企画展「王朝文化への憧れ ─雅の系譜」
会期:・Ⅰ期 2022年3月20日(日)~5月15日(日)
   ・Ⅱ期 2022年5月22日(日)~7月18日(月・祝)
会場:相国寺承天閣美術館
住所:京都府京都市上京区今出川通烏丸東入ル
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
拝観料:一般 800円、65歳以上・大学生 600円、中高生 300円、小学生 200円
※一般に限り、20人以上は団体割引で各700円
【問い合わせ先】相国寺承天閣美術館TEL 075-241-0423

「王朝文化への憧れ ─雅の系譜」@京都 シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「王朝文化への憧れ ─雅の系譜」@京都 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。
この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
*応募締め切りは2022年5月2日 月曜日 24:00
1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、当選無効となります。
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また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。

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