平和都市宣言をしている川崎市において、改めて今夏、”戦争と平和”について描いた映画を特集すこととが決定いたしました。
最近大ヒットしたアニメーション映画『この世界の片隅に』(2016)はじめ、当館所蔵フィルムより、日本で初めて原爆を取り上げた劇映画『原爆の子』(1952)、戦後の広島の貴重な映像が見られる記録映画『平和記念都市ひろしま』(1948~49)、ドキュドラマ作品『河 あの裏切りが重く』(1967)など全10作品を上映します。
(★親子向け作品として文部省選定映画『時計は生きていた』(1973)も上映します。)
■上映プログラム(7プログラム・全10作品)
<広島をめぐる映画たち>
『この世界の片隅に』(2016/カラー/DCP/126分/監督:片渕須直)
『平和記念都市ひろしま』(1948~49/モノクロ/35mm/20分/監督:秋元憲)
+『原爆の子』(1952/モノクロ/35mm/99分/監督:新藤兼人)
『生きていてよかった』(1956/モノクロ/16mm/48分/監督:亀井文夫)
+『千羽鶴』(1958/モノクロ/16mm/67分/監督:木村荘十二)
『河 あの裏切りが重く』(1967/モノクロ/35mm/103分/監督:森弘太)
<知られざる戦争の影>
『硫黄島』(1959/モノクロ/35mm/88分/監督:宇野重吉)
『最後の女たち』(1954/モノクロ/35mm/83分/監督:楠田清)
『煙突屋ペロー』(1930/1987復元版/モノクロ/23分/監督:田中喜次)
+『時計は生きていた』(1973/カラー+モノクロ/16mm/63分/監督:神山征二郎)
上映作品紹介
<広島をめぐる映画たち>
『この世界の片隅に』
2016/カラー/DCP/126分/監督:片渕須直/声の出演:のん、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞
広島市江波から呉へ嫁いだ、ある女性の日々の暮らしを通じて、戦前・戦中・戦後にかけて市民生活に起こった変化を映し出す。当時の様子を細密に活き活きと描き出したアニメーション作品。
【4回上映】上映日:8/5(土)11:30-&14:30-、8/6(日)11:30-、8/13(日)11:30-
『平和記念都市ひろしま』
1948~49/モノクロ/35mm/20分/監督:秋元憲/ナレーション:徳川夢声
GHQ検閲により未公開となった、広島の復興についての幻の記録映画。2005年に当館で発見された。
『原爆の子』
1952/モノクロ/35mm/99分/監督:新藤兼人/出演:乙羽信子、宇野重吉、滝沢修、北林谷栄
数年ぶりに広島を訪れ、かつての教え子たちと再会した孝子は、復興の影の厳しい現実を思い知る。
【2回上映】上映日: 8/6(日)14:30-、8/19(土)11:30-
『生きていてよかった』
1956/モノクロ/16mm/48分/監督:亀井文夫/ナレーション:山田美津子
被爆後10年、広島・長崎で力強く生きる人々を描いたドキュメンタリー。
『千羽鶴』
1958/モノクロ/16mm/67分/監督:木村荘十二/出演:菅井美智子、島田屯、吉沢久嘉、加藤嘉
原爆症で亡くなった少女の実話を映画化。広島の子供たちが出演して、学校・病院でロケ撮影された。
【1回上映】上映日: 8/12(土)11:30-
『河 あの裏切りが重く』
1967/モノクロ/35mm/103分/監督:森弘太/出演:灰地順、富田公子、佐藤慶、原泉
安保闘争の挫折感を抱える男が、失踪した知人を探して広島をさまよう。『二十四時間の情事』の影響が色濃く、ドキュメンタリータッチで、爆心地近くのバラックなどの風景の貴重な記録となっている。
【2回上映】上映日: 8/13(日)14:30-、8/19(土)14:30-
%%<知られざる戦争の影>red
『硫黄島』
1959/モノクロ/35mm/88分/監督:宇野重吉/出演:大坂志郎、芦川いづみ、小高雄二、佐野浅夫
太平洋戦争の激戦地・硫黄島の生き残りだという男が新聞記者に自らの体験を語るが、次第に、戦争体験の重荷を背負って生きる運命の過酷さが浮き彫りになってゆく。
【2回上映】上映日: 8/11(金・祝)11:30-、8/20(日)14:30-
『最後の女たち』
1954/モノクロ/35mm/83分/監督:楠田清/出演:河野秋武、利根はる恵、山内明、信欣三
1944年サイパン島に米軍が上陸を開始した。非常事態の中で、南洋製糖社員・牧村とその妻・淳子は狂気と欲望を露わにさせながら、敗走する日本軍の部隊とともに玉砕に駆り立てられていく。
【2回上映】上映日: 8/11(金・祝)14:30-、8/20(日)11:30-
『煙突屋ペロー』
1930(1987復元サウンド版)/モノクロ/16mm/23分/監督:田中喜次/ナレーション:常田富士男
戦前に製作された貴重な影絵アニメーション。「兵隊の出る卵」にまつわる不思議な童話を描く。
『時計は生きていた』
1973/カラー+モノクロ/16mm/63分/監督:神山征二郎/出演:天田純、大泉晃、殿山泰司、佐藤慶
昭和20年夏の群馬県前橋市、小学五年生の守を主人公に、たくましく生きる子供たちを描く。
【1回上映】上映日: 8/12(土)14:30-
■上映スケジュール
8/5(土)
11:30『この世界の片隅に』
14:30『この世界の片隅に』②
8/6(日)
11:30『この世界の片隅に』③
14:30『平和記念都市ひろしま』+『原爆の子』
8/11(祝・金)
11:30『硫黄島』
14:30『最後の女たち』
8/12(土)
11:30『生きていてよかった』+『千羽鶴』
14:30『煙突屋ペロー』+『時計は生きていた』
8/13(日)
11:30『この世界の片隅に』④
14:30『河 あの裏切りが重く』
8/19(土)
11:30『平和記念都市ひろしま』+『原爆の子』②
14:30『河 あの裏切りが重く』②
8/20(日)
11:30『最後の女たち』②
14:30『硫黄島』②
※各回入れ替え制です。15分前に開場します。