シネフィル新連載 : 映画監督・旦 雄二の ☆ それはEIGAな! Cool! It's a movie! #07(通算 第26回) 映画『エクソダス : 神と王』3D を観賞して-cinefil.tokyo
西洋の映画監督は、世界史を背負っている。
イギリス人のリドリー・スコット監督が、欧米諸国から参集した俳優やスタッフとともに、自らの生活圏ではない遠い中東アフリカの、古代エジプトにおける「預言者モーゼ誕生」の物語に全力で立ち向かうさまを目にするとき、そのことを強く思う。
欧米の役者にエジプト人メイクを施してまでして、英語劇で、あの『出エジプト記』をアメリカ映画として創造する。その企てには、ただただ感服するばかりである。
西洋社会の根幹をなす一神教の、その中でも重要な位置をなすモーゼ(モーセ)という存在にかかわる物語だからこその、この渾身の取り組みなのだろうが、それゆえ、というべきか、おなじ...