人気ナンバーワンの謎だらけ国宝を徹底的に調べてみたら明らかになった意外な秘密〜東京国立博物館「国宝 鳥獣戯画のすべて」
当初は昨年の夏に予定されていた展覧会だ。「鳥獣戯画」(正式には「鳥獣人物戯画」)全4巻を、巻き替え・場面替えなしに、全巻をまるごとすべて一度に展示する。ところが思いもかけなかった新型コロナ・ウィルスのパンデミックが起こった。
2015年の東京国立博物館での特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」では、会場に入るまでの待ち時間が2時間3時間となるのも稀ではなく、しかも全4巻でもっとも有名な、1巻めにあたる「甲巻」の行列が会場内でさらに2時間待ちだったりした。
そもそも、そんなに大きな作品ではない。全4巻で長さこそ合計で約44メートルになるが、縦はたった30センチ強。コロナ禍が1年以上続いて...