「パンデミック(pandemic)な日々、
そしてアートは何処へ向うのか」
2020年中国の武漢市から始まった新型コロナウィルスの感染者への広がりはわずかな時間で拡散し、現在もなお猛威を振るう。世界同時多発に起きた「死へのエピローグ」はグローバリゼーションの時代、起こるべきして起きた事件は人類史の見えない敵、「ウィルス(virus)との戦い」とも言えるだろう。
矢成光生の絵画はカタストロフィ(catastrophe)をテーマに東日本大震災で起きた放射性物質の脅威や自然現象の脅威、そしてイデオロギーとの対立による様々な地域紛争、こうした拮抗する世界を都市の景観とともに描かれている。その手法は室町時代後期に成立し、江戸時代まで続いて制作された風俗画の一種である、洛中...