伝教大師1200年大遠忌記念
特別展 「最澄と天台宗のすべて」 東京国立博物館
意外と知られていないことだが、東京国立博物館の敷地と上野公園の全体、さらに東京芸大のキャンパスから上野駅、南は上野広小路の一部から北は鶯谷駅と山手線までを含む地域が、明治維新以前には広大な寺院の境内だった。博物館は本坊の跡地で、その正面、大噴水の位置に建っていた巨大な根本中堂(江戸で最大の建造物だった)に安置されていた秘仏の本尊が、タイトル画像の薬師如来立像だ。
伝教大師最澄 (神護景雲元<767>年 〜 弘仁13<822>年)が自ら彫ったとされ、それも最澄がのちに天台宗の信仰の中核・比叡山延暦寺の前身、一乗止観院を故郷の坂本に近い比叡山中に開いた際に自ら彫り、延暦寺の絶対秘仏の本尊とな...