「鑑真和上坐像」と向き会い「律」と向き合う。鑑真から始まった日本人と「ルール」の精神史〜京都国立博物館 特別展「鑑真和上と戒律のあゆみ」
まず、あまりに圧倒的に傑出している。日本の肖像彫刻の…いや彫刻に限らず世界の肖像芸術でもっとも美しいひとつなのは間違いない。比肩され得るものとして頭に浮かぶのは「モナリザ」(ルーヴル美術館)や、古代エジプト・アマルナ時代の「王妃ネフェルティティの胸像」(紀元前1345年・国立ベルリン・エジプト博物館)、アルブレヒト・デューラーやレンブラントの自画像、ヴェラスケスの描く王女マルガリータ・テレサ、カール・Th・ドライヤーの映画『裁かるゝジャンヌ』くらいだろうか?
国宝・鑑真和上坐像。
その美術史上の重要性も、「モナリザ」は現代の世界は西洋文明がドミナントだからダ・ヴィンチの知名度が…とか、京...