黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--?
黒澤明が残した脚本を中国の映画会社が2020年に公開予定として発表され、世界のメディアでこの映画へますます注目が集まっている。
エドガー・アラン・ポーの短編『赤死病の仮面』を黒澤が独自に書き換えて、ロシアを舞台に映画化を目論んでいたこの作品。
原作エドガー・アラン・ポーの短編のあらすじは--
ある国で「赤死病」という疫病が広まり、長い間人々を苦しめていた。ひとたびその病にかかると、眩暈が起こり、体中が痛み始め、発症から三十分も経たないうちに体中から血が溢れ出して死に至る。しかし国王プロスペローは、臣下の大半がこの病にかかって死ぬと、残った臣下や友人を引き連れて城砦の奥に立てこもり、疫病が...