北島博士のおもしろ映画講座 第63回
『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
2018年に公開された「スマホを落としただけなのに」は、志賀晃の同名小説(宝島文庫)を映画化したサイコスリラーで、現代人にとって今や必須アイデムになっているスマートフォンが焦点になっていた。結婚を間近に控えた冨田誠がスマホをタクシー内に忘れたことがきっかけで、誠の婚約者稲葉麻美の身辺で気味の悪い出来事が続き、誠・麻美は生命の危機に瀕するまで追いつめられていく。便利な道具だが、凶器にもなりうるということ、我々はデジタル・ジャングルにいることを改めて気づかせてくれた作品だった。
今回の「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」は、誠と麻美の結婚披露宴から始まる。捜査に当たった神奈川県警サ...