村上春樹の翻訳家メッテ・ホルムと翻訳の秘密を追うドキュメンタリー映画『ドリーミング村上春樹』ニテーシュ・アンジャーン監督、cinefil独占インタビュー
先週末19日から絶賛公開中の『ドリーミング村上春樹』。世界50言語に翻訳されている村上春樹の翻訳家のひとりであるメッテ・ホルムを追ったドキュメンタリー映画だ。監督はインド人の父を持つデンマークの映画作家ニテーシュ・アンジャーン。翻訳家を紹介するような普通のドキュメンタリーにはしたくなかったと語る彼の言葉通り、村上春樹の小説世界と翻訳家の日常が互いに浸食しあい、観る者を言葉=他者の深淵へと誘う独特の作品に仕上がっている。
つねづね自らを異邦人と感じ、村上春樹の小説の登場人物と自分を重ね合わせていたというニテーシュ。インタビュー中、腕や手のひらに自ら語る言葉の数々を熱心に書きとめ、淀みなく言...