夜の葉~映画をめぐる雑感~
#11『ロケットマン』とセルマ・G. レインズ『センダックの世界』
「わたしは、子どもだったわたしが、成長して現在のわたしになったとは信じていないのです。彼は、わたしのために、いちばんグラフィックな、造形的な、そして肉体的な意味で、未だどこかに存在しているのです。わたしは彼のことが非常に気にかかりますし、非常な興味を持っています。彼といつでも通じようとしています。わたしがもっとも恐れることの一つは、彼との接触を失うことです」ーーモーリス・センダック
(セルマ・G. レインズ『センダックの世界』より)
回帰と内省ーーニュー・シネマとシンガー・ソングライターの時代
後光を放ちながら、極彩色の角と翼を生やしたひとりの男がこちら側へと歩いてくる。悠然と歩を進める...