夜の葉~映画をめぐる雑感~
#13『ハッピー・オールド・イヤー』とミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』
人はみんな自分の人生をふるいにかけて、愛情と優しさを注ぐ先を定める。そしてそれは美しい、素敵なことなのだ。でも独りだろうと二人だろうと、わたしたちが残酷なまでに多種多様な、回りつづける万華鏡に嵌めこまれたピースであることに変わりはなく、それは最後の最後の瞬間までずっと続いていく。きっとわたしは一時間のうちに何度でもそのことを忘れ、思い出し、また忘れ、また思い出すのだろう。思い出すたびにそれは一つの小さな奇跡で、忘れることもまた同じくらい重要だ――だってわたしはわたしの物語を信じていかなければならないのだから。
(ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』より)
人生がときめくのは片づ...