スクリューボール・コメディの成分
〜『まともじゃないのは君も一緒』スペシャル鼎談(後編)
前田弘二監督×高田亮脚本×根岸洋之プロデューサー
“シリアスな”変人たちの行方
根岸
『卒業』が1967年で、大きくはニューシネマ枠に入るのかもしれないけど、あのラストって、ダスティン・ホフマンがキャサリン・ロスを結婚式場から引き剥がして連れ帰るという設定じゃないですか。あれは“Runaway Bride”(「走る花嫁」→編注:『或る夜の出来事』(34)の結末にあった神話的イメージ)という意味では非常にスクリューボール・コメディ的でしたけど、あの映画自体にはビターな雰囲気が滲んでいる。車で教会まで駆けつけるシークエンスにサイモン&ガーファンクルの「ミセス・ロビンソン」が断続的に流れていて...