シネフィル新連載:深田晃司監督「とつとつとはずがたり」02 宮田三清さんのこと
宮田三清さんと初めてお会いしたのは、2005年、25歳のときでした。
私は某映画専門学校を出た後、雑多な映像の現場で美術や照明の助手として右往左往していて、ときにフツーのバイトもしたりしながら貯めた小金に借金を加えて、24歳になるまでに自主制作映画を3本こしらえました。散々周囲の友人知人家族に迷惑を掛け大騒ぎして撮影した割には大した満足感を得られることもなく、気がついたら劇団青年団の演出部に「留学」していたのが25歳の春です。
その頃、自作の上映を通じて交遊のあった同世代の監督Kさんから誘われ、東映アニメーションに企画書を持ち込みました。それが採択され監督したのが『ざくろ屋敷』で、その作...