(カバー画像)大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil
1976年の放送開始から50年を迎えたNHK「日曜美術館」。
これまで番組では、さまざまな芸術作品の「美」を伝えてきました。
1976年4月の放送開始以来、今日まで2500回以上放送され、「週間ファインアートテレビ番組の最長放送(Longest running weekly fine art TV Program)」としてギネス世界記録に認定(2026年3月22日)されました。
大阪中之島美術館(所在地:大阪市北区)では、2026年12月20日まで、「NHK日曜美術館50年展」が開催されています。
これまでの放送回から厳選した約60作家、140点を超える作品が、番組出演者の言葉や映像、高精細映像とともに一堂に集結しています。
東京、静岡に続く最終会場となる大阪では、巡回内容に加えて大阪会場限定となる作品が壮大なスケールで展示されています。
縄文土器から現代美術まで、時代やジャンルを超えた数々の珠玉の作品と出会える大変貴重な機会です。是非、世界一に認定された「日曜美術館」のこれまでの秘蔵映像、わかりやすい作品解説と、選び抜かれた名作の数々をご堪能ください。

展覧会風景
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
第1章 語り継ぐ美 ~時を超えて美を語る言葉・語らせる作品
1976年4月、日曜美術館50年の歴史は「私と○○」というタイトルで幕を開けました。大江健三郎が語るフランシス・ベーコン、舟越保武が伝える松本竣介、モデルとなった矢内原伊作が伝えるアルベルト・ジャコメッティなど、各界の第一線で活躍するゲストの言葉と古今東西の作家と作品が紹介されています。

オーギュスト・ロダン 《考える人》 1880年 静岡県立美術館
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
ロダンはフランスに生まれ、国立美術学校の試験に3度失敗しましたが、建築装飾の仕事で生計を立てました。40歳になる前に国から依頼された《地獄の門》の政策に着手し、以後名作を生み出しました。革命的な実験や、大胆な造形による作品はその斬新さから世間にスキャンダルを巻き起こし、「近代彫刻の父」と称されています。
「自然の中に、人間の中に手を入れて精神から全てのものをひきずり出した、そして構成した。それがロダンではないか。」柳原義達(彫刻家)

高橋由一 《花魁》重要文化財 1872年 東京藝術大学 〔大阪展限定〕
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
江戸の佐野藩邸に生まれ、はじめは狩野派の絵を学びますが、西洋の石版画に感銘を受け、35歳で画学局に入学し洋画を学びました。さらにイギリス人画家チャールズ・ワーグマンに師事し油絵技法を習得しました。明治維新後には私塾「天絵楼(てんかいろう)」を設立し、多くの後継を輩出した「日本洋画の開拓者」です。
「新しくなろうとする意思と、古いものとが画面の中で相争っている。それがこの画面に一種の緊張を与えている。」芳賀徹(文学者・比較文学者)

石田徹也 《飛べなくなった人》 1996年 静岡県立美術館
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
静岡で生まれた石田徹也は、就職氷河期に武蔵野大学を卒業。この頃より器物と一体化した人物の絵を描き始め、1990年代から2000年代初頭の社会変節気に、個人と社会の関係を風刺する作品を描き続けました。2005年に踏切事故によりこの世を去りましたが、200点以上の作品を残し、現代人の心に潜む痛みや悲しみの表現が今もなお、共感を呼んでいます。
みんなが感じていること、普通は大人になるとそういう思いに蓋をしちゃうことを全部自分で感じて、それを絵に表現している。まるで修行僧のように朝から晩まで絵を描いていて。胸が苦しくなるようなところがあります。山下裕二(美術史家)
第2章 日本美の再発見 古代から明治まで
ある時代、ある人の視点で再発見された瞬間に輝く美があります。美術界にしばしば訪れるブームの中で、日曜美術館も時代の息吹をくみとり、"日美なりの"美の再発見を届けてきました。村上隆、大野一雄、井浦新らが紡ぐ言葉で、縄文土器・土偶、伊藤若冲、曾我蕭白、葛飾北斎など、日本美術の名品が再び輝きだします。

《縄文土器 深鉢 火焔型土器》 新潟県長岡市深沢町岩野原遺跡出土 縄文時代(中期) 國學院大學博物館
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
「なぜこのかたちになったのか、なぜこんなにも高い技術を駆使して丁寧に作られたのかを考えると、土偶たちを作ろうとした当時の縄文人たちの思いを感じずにはいられない。」井浦新(俳優)

伊藤若冲 《石燈籠図屏風》(右隻)江戸時代・18世紀 京都国立博物館
*展示期間:10月10日 – 11月15日〔大阪展限定〕
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
京都錦市場の青物問屋の長男として生まれた伊藤若冲。家業の傍ら寺院に伝わる中国絵画の模写や実物写生などを通じて絵を学び、絵画制作に勤しみました。精緻な濃彩花鳥画を得意とし、40代に約10年を費やして制作した《動植綵絵》が有名です。
また幾何学的な形態の好みを示す奔放な筆致の水墨画にも多くの優品を残しました。
「何かこう心の皮が薄いものをね、薄いままさらけ出しちゃうような、でもさらけ出さないと自分が生きてる気がしないっていう感じ。」
村上隆(アーティスト・有限会社カイカイキキ代表)
第3章 工芸 伝統と革新
日曜美術館がこの50年の間、毎年欠かさずこつこつと発信し続けてきた「工芸」の世界。正倉院の名品から始まり、伝統を継承し対話を重ねる人間国宝の技、古の技を超えようと精進する超絶技巧まで、世界に誇る日本の優れた工芸をご堪能ください。

塩見亮介 《白銀角鴟面附白絲縅兜袖》 2022年 個人蔵
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
塩見亮介は、金工技法で表せる強さを求めて、モチーフの造形と質感に迫り、甲冑作品を展開。猿や鷲など自然界の気高い動物を造形に取り入れ、弱さゆえに抱く理想へのあこがれやゆるぎない精神力を表現しています。
第4章 災いと美
50年の歩みのなかでは、疫病や自然災害、繰り返される戦争、災禍に作家が向き合うことで生まれた"美(アート)"の存在もありました。災いと向き合い、理解し、受け止めるために美が果たしてきた役割とその力を考えます。あわせて、パブロ・ピカソの傑作《ゲルニカ》を高精細映像でご覧いただけます。

石内都 《ひろしま #9 donor : Ogawa, R.》 2007年 作家蔵
© Ishiuchi Miyako「ひろしま#9」donor:Ogawa, R. Courtesy of The Third Gallery Aya
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
群馬で生まれ、神奈川で育った石内都は多摩美術大学で染織を学んだ後、独学で写真に取り組みました。粒状感の強いモノクロームによる建築・身体・遺品への接写を通じて時間・記憶・存在というテーマに迫る作風で知られています。
ライフワークとも言える《ひろしま》シリーズでは、被爆遺品を接写し、過去の痛みを現在へ甦らせる表現を行ってきました。2014年ハッセルブラッド国際写真賞受賞。
「あの日と現在、このものたちはいきているというか、わたしにとっては、よく今までいたねと、どうしようもない人類最悪の歴史の中で、着ていた人はどこにもいないが、遺されたものたちは厳然と存在している。 石内都

鴻池朋子 《皮緞帳》(部分) 2015年 高橋龍太郎コレクション 〔大阪展限定〕
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
鴻池朋子は秋田生まれの現代アーティスト。玩具のデザインを経て、絵画、彫刻、指人形劇、ラウンドアートなどメディアは多岐に渡ります。
芸術の根源的な問い直しを続けるインスタレーションは国内外で高く評価されています。2016年度芸術選奨文部科学大臣賞、23年紫綬褒章を受章。
大阪会場限定のインスタレーション作品《皮緞帳》は圧巻のスケールです。

大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil

鴻池朋子 《Kegare》2007年 個人蔵
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
第5章 作家の生き様と美 ~アトリエ&創作の現場
作家が最も長い時間を過ごすアトリエ。そこで1つの作品が、作家の身体を通して生まれ出ようとする瞬間を目の当たりにする醍醐味は格別です。放送時の映像とともに制作の過程で作家が語る言葉に耳を傾けながら、創造という行為の深淵を感じてみてください。

岡本太郎 《遭遇》 1981年 川崎市岡本太郎美術館
大阪中之島美術館「NHK日曜美術館50年展」記者内覧会にて撮影photo by © cinefil
岡本太郎は、父・岡本一平、母・岡本かの子という文化的背景を持ち、若年期にパリに渡りました。対局主義の考えを掲げ、縄文土器や民俗学的モチーフを取り入れながら、原始性と現代性を融合させる独自の美学を構築。「芸術は爆発だ!」というフレーズや、1970年大阪万博の象徴として制作された《太陽の塔》、メキシコ制作の巨大壁画《明日の神話》は、社会へ直接訴えかける力強い表現として広く知られています。
時を超え、受け継がれるさまざまな芸術。
絵画、工芸、インスタレーションなどさまざまな芸術は、美しいものの感動を伝えるだけでなく、戦争や災禍などに対する強い憤りや、深い悲しみを訴えかけるものでもありました。世界の名だたる芸術家の熱い情熱が感じられる展覧会でした。
時を超え、さまざまな芸術を伝えてくれる「日曜美術館」。
これからも素晴らしい芸術を私たちに紹介してくれることでしょう。
展覧会概要
展覧会名 NHK日曜美術館50年展
会期 2026年10月10日(土)– 12月20日(日)
*会期中、一部作品の展示替えがあります。
休館日 月曜日、11月24日(火)*11月23日(月・祝)は開館
開場時間 10:00 –17:00(入場は16:30まで)
会場 大阪中之島美術館 5階展示室
観覧料など詳細は下記公式サイトをご覧ください。
展覧会公式サイト
美術館公式サイト
お問い合わせ 06-4301-7285
大阪市総合コールセンター(なにわコール)*受付時間8:00 – 21:00(年中無休)
シネフィルチケットプレゼント
下記の必要事項、をご記入の上、「NHK日曜美術館50年展」@大阪中之島美術館 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、無料観覧券をお送り致します。この観覧券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2026年11月2日 月曜日 24:00
記載内容
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