(カバー画像)開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

京都・紫野(むらさきの)の地に広がり、荘厳な禅宗を今に伝える大本山・大徳寺。 壮大な伽藍の三門(さんもん)「金毛閣(きんもうかく)」は、悠久の歴史を紡ぎ、洛北随一の巨刹を誇る大徳寺の象徴として今なお、風格を感じさせます。

大徳寺は、鎌倉時代末期の嘉暦元年1326年、宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)大燈国師(だいとうこくし)によって開創されました。開山以来、各時代を代表する名僧を輩出し、天皇や戦国武将、千利休(せんのりきゅう)をはじめとする茶人たちの信仰を集めながら発展してきました。  桃山時代には豊臣秀吉が織田信長の葬儀を営み、信長の菩提を弔うために総見院を建立、併せて寺領を寄進、それを契機に戦国武将の塔頭(たっちゅう)建立が相次ぎ隆盛を極めました。

後醍醐天皇(ごだいごてんのう)によって「本朝無双禅苑(ほんちょうむそうのぜんえん)」と 讃えられた禅宗の大徳寺は、日本に二つとない禅寺であり、禅と美の頂点でしょう。

このたび、東京国立博物館 平成館では、2026年12月6日まで、開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」が開催されています。本展では、塔頭や大徳寺派寺院を含む大徳寺山内の寺宝が一堂に会し、連綿と受け継がれる歴史と文化が紹介されています。大徳寺の宝物が一堂に会する展覧会は41年ぶり、東京では初となります。

通常非公開の三門が壮大なスケールで再現展示され、その内部も会場内に再現。本尊と利休居士像が初公開されます。6メートルを超える重要文化財「仏涅槃図」や、「幻の茶碗」と称される龍光院が所蔵の「曜変天目」も、みどころのひとつです。                       大徳寺の悠久の歴史を辿り、「禅と美の世界」をご堪能ください。

画像: 会場風景 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

会場風景 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

序章:禅のひろがり―心から心へ

禅宗では、釈迦(しゃか)の心印(しんいん)(悟りの境地)は師の心から弟子の心へと連綿と受け継がれるものととらえられます。                     
釈迦から数えて二十八祖にあたる達磨(だるま)が広めた禅の教えは、日本でも大きな潮流となり、多くの傑僧が活躍しました。
序章では、大徳寺を開創した宗峰(しゅうほう)に至る禅の流れと、禅宗によって育まれた水墨美術の粋が紹介されています。

画像: 国宝「観音猿鶴図」牧谿筆 中国 南宋時代・13世紀 大徳寺蔵 【前期展示】 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

国宝「観音猿鶴図」牧谿筆 中国 南宋時代・13世紀 大徳寺蔵 【前期展示】
開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

中国・南宋の画僧・牧谿(もっけい)による東洋の一の名画と謳われる国宝「観音猿鶴図(かんのんえんかくず)」3幅。会場では、その左右に、重要文化財 伝牧谿筆「龍虎図」を配して、大徳寺の儀礼で実際に用いられてきた「5幅対」が再現されています。                   圧巻のスケールで、鶴や猿の鳴き声が今にも聞こえてきそうです。

第1章 大徳寺の開創

画像: 国宝「宗峰妙超像」南北朝時代・建武元年(1334) 大徳寺蔵 【前期展示】 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

国宝「宗峰妙超像」南北朝時代・建武元年(1334) 大徳寺蔵 【前期展示】
開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)大燈国師(だいとうこくし)は 、峻厳(しゅんげん)
な禅風で数多くの門弟を指導した高僧です。中国・南宋で印可(悟りの証明)を得た後、京都・東山で20年にわたって、独り仏道修行に励み、花園天皇・後醍醐天皇の帰依を受け、嘉暦元年(1326)、大徳寺を開堂しました。

本作では、宗峰妙超の肖像画に自らの賛が書かれています。峻厳な禅僧であったとされる宗峰妙超の眉をひそめた表情が印象的です。

画像: 重要文化財「後醍醐天皇像」鎌倉~南北朝時代・14世紀 大徳寺蔵 【前期展示】   開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

重要文化財「後醍醐天皇像」鎌倉~南北朝時代・14世紀 大徳寺蔵 【前期展示】   開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

後醍醐天皇は動乱の時代に大燈国師に深く帰依しました。

第2章 大燈禅の継承

宗峰妙超の弟子たちは、厳格な大燈禅(だいとうぜん)の教えを守り伝え、大徳寺は宗峰の法流のみが継承する「一流相承刹(いちりゅうそうしょうさつ)」として発展しました。
15世紀に活躍した養叟宗頤(ようそうそうい)と一休宋純(いっきゅうそうじゅん)の時代には、堺にも外護者(げごしゃ)を広げ、大徳寺は隆盛を極めました。

画像: 重要文化財「一休宗純像」自賛、宗辨禅人請 室町時代・15世紀 京都・酬恩庵蔵 【前期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

重要文化財「一休宗純像」自賛、宗辨禅人請 室町時代・15世紀 京都・酬恩庵蔵  
【前期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

「一休さん」でおなじみの型破りな僧。

第3章 戦国武将と塔頭

15世紀から16世紀にかけて、一休宗純を開祖とする真珠庵(しんじゅあん)をはじめ、大徳寺四派〔真珠庵派、龍泉庵(りょうせんあん)派、南派、北派〕の主要な塔頭(たっちゅう)が相次いで創建されました。〔※塔頭とは、禅宗寺院を中心にみられる境内の小院を指し、主に高僧の墓所を守るために建てられた庵(いおり)を起源とするもの〕。
このような寺勢拡大の背景には、財力をそなえた堺衆のほか、三好長慶(みよしながよし)、大友宗麟(おおともそうりん)、織田信長、豊臣秀吉など名だたる戦国武将らによる帰依がありました。

画像: 重要文化財「仏涅槃図」狩野松栄筆 室町時代・永禄6年(1563) 大徳寺蔵 【前期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

重要文化財「仏涅槃図」狩野松栄筆 室町時代・永禄6年(1563) 大徳寺蔵
【前期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

6m超、永徳の父・松栄による渾身の大作。鮮やかな極彩色で描かれ、作品の周囲にも濃彩による牡丹文、唐草文が描表装で表されています。

第4章 江戸時代の名僧

17世紀、新しい時代を迎えて統制をはかる江戸幕府と、朝廷や公家、寺社との間に軋轢が生じるようになります。
大徳寺では、寛永6年(1629)、朝廷からの紫衣勅許(しえちょっきょ)を無効とする法度(はっと)に抗議した、沢庵宗彭(たくあんそうほう)、玉室宗珀(ぎょくしつそうはく)らが処罰される「紫衣事件」が起きました。しかし、江月宗玩(こうげつそうがん)のとりなしにより放免となり、危機を乗り越え、寛永13年に大燈国師(だいとうこくし)300年遠忌(おんき)が執り行なわれ、大徳寺再興となりました。

画像: 重要文化財「椿尾長鳥堆朱盆」針描銘「張成造」 中国 元時代・14世紀京都・興臨院蔵 【通期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

重要文化財「椿尾長鳥堆朱盆」針描銘「張成造」 中国 元時代・14世紀京都・興臨院蔵  
【通期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

中国渡来の彫漆(ちょうしつ)を代表する第一級の名品。

画像: 国宝「大井戸茶碗 喜左衛門井戸」韓国慶尚南道 朝鮮時代・16世紀 京都・孤篷庵蔵 【通期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

国宝「大井戸茶碗 喜左衛門井戸」韓国慶尚南道 朝鮮時代・16世紀 京都・孤篷庵蔵
【通期展示】開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

第5章 禅宗美術の精華

戦国武将や有力な町衆たちの帰依を集めた大徳寺には、禅の歴史を物語るさまざまな文物が蓄積されていきました。
本章では、禅宗美術の名品や、大徳寺本坊や各塔頭を飾った至高の障壁画群が紹介されています。

画像: 「青磁刻花龍鳳文大花瓶」中国・龍泉窯 明時代・15世紀 大徳寺蔵【通期展示】 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

「青磁刻花龍鳳文大花瓶」中国・龍泉窯 明時代・15世紀 大徳寺蔵【通期展示】
開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

龍と鳳凰が刻まれた明代龍泉窯の名品。

終章 禅とともに―大徳寺三門の世界

大徳寺の伽藍(がらん)は戦乱などによる焼失をくり返しながら、その都度復興が成し遂げられ、いつの世も人びとの心の拠よりどころとなってきました。とりわけ、千利休によって上層が造営された壮観な姿の三門(さんもん)「金毛閣(きんもうかく)」は、大徳寺の象徴的存在です。

画像: 大徳寺の三門を再現 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

大徳寺の三門を再現 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

現在の三門(山門)は、応仁の乱後の1529年(享禄2年)、連歌師・宗長によって下層が寄進され、1589年(天正17年)、千利休が上層を完成させて「金毛閣」と名づけられました。千利休は、三門修築にあたって楼上に自身の木像を安置しました。
三門をくぐる人々の頭上に、草履を履いた利休の像が置かれため、豊臣秀吉が三門をくぐったとき、頭上に利休の像があることが、問題となり、利休が切腹を命じられた一因とされたとされています。

画像: 「釈迦如来坐像」印慶作 室町時代・応永11年(1404)大徳寺蔵(三門安置)【通期展示】 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

「釈迦如来坐像」印慶作 室町時代・応永11年(1404)大徳寺蔵(三門安置)【通期展示】
開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

龍翔寺から移され、三門に安置されている大徳寺の本尊。

画像: 「千利休立像」頭部:天保11年(1840) 体部:田中浄慶作 明治2年(1869) 大徳寺蔵(三門安置)【通期展示】 開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

「千利休立像」頭部:天保11年(1840) 体部:田中浄慶作 明治2年(1869)
大徳寺蔵(三門安置)【通期展示】
開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」東京国立博物館 記者内覧会にて撮影 photo by © cinefil

明治時代に寄贈され、三門楼上に安置された利休像。

AIに頼り、デジタルの時代となった今、悠久の歴史を辿り、禅の世界を観ることは逆に新鮮です。
都会の喧騒を離れ、心癒されるひとときを過ごしましょう。
古くて新しい、黒と白だけで描かれたシックな山水画の屏風や襖、茶の湯の茶碗の小さな宇宙。  日本美術の「粋」、「禅と美の極み」を堪能しましょう。

展覧会概要

展覧会名:開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」
会場:東京国立博物館 平成館
会期:2026年10月14日(水)~12月6日(日)
前期展示:10/14(水)~11/8(日) 後期展示:11/10(火)~12/6(日)
休館日:月曜日(ただし、11月2日、11月23日、11月30日は開館)、11月24日
午前9時30分~午後5時
※毎週金曜・土曜日および11月1日(日)、11月2日(月)、11月22日(日)は午後8時まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料など詳細は下記展覧会公式サイトをご覧ください。
展覧会公式サイト:https://daitokuji2026.exhn.jp/
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、開創700年記念 特別展「大徳寺 本朝無双之禅苑」@東京国立博物館シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上2組4名様に、無料観覧券をお送り致します。この観覧券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2026年10月26日 月曜日 24:00
記載内容
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