近代の京都画壇を代表する巨匠・木島櫻谷(このしまおうこく)(1877−1938)。       櫻谷は、花鳥風月に代表される日本の四季折々の美しい情景を繊細に色彩豊かに映し出し、馬や鹿などの動物や、鶴や孔雀などの鳥類を独自の優しい目線で優美に描きました。
彼は精緻な花鳥画で京都画壇において人気を博していた今尾景年に師事し、徹底した写生を基礎に、日本画の伝統を受け継ぎながらも、日本画における「近代的表現」を模索し、更なる独自の画境を切り開きました。

このたび、泉屋博古館東京において、「ライトアップ木島櫻谷Ⅲ― おうこくの色をさがしに」が、2026年4月25日~7月5日まで開催されます。

20世紀は美術の変革期で、自然主義や印象主義に影響を受けた様式や画題、そして色彩革命による新しい岩絵具への移行がなされ、櫻谷の作品にもその様子がうかがえます。
本展では、櫻谷の使用した絵具と色彩表現がライトアップされています。
時代に応じた色彩の発色の仕方や絵具の質や扱い方の変化をご覧ください。

本展では、大正中期に大阪茶臼山の住友本邸の大広間を飾った「四季連作屏風」をはじめ、写生帖や櫻谷の本領である花鳥動物画や人物画などが展示されています。
また同時開催として、南北朝時代の禅僧の書跡や室町時代の漆工品、さらには櫻谷の写生帖を、公益財団法人住友財団が推進してきた文化財維持・修復事業助成により、修復後の蘇った作品でご覧いただけます。

風薫る新緑の季節、櫻谷の詩情あふれる日本画の世界に心癒されるひとときをお過ごしください。

画像: 木島櫻谷《幽渓秋色》大正時代(20世紀) 泉屋博古館東京

木島櫻谷《幽渓秋色》大正時代(20世紀) 泉屋博古館東京

山中の紅葉が白雲を背景に映える秋の情景。断崖の間には滝が流れ、中央の岩の上には点景として猿の親子が描かれています。
橋本雅邦(1835-1908)の代表作《白雲紅樹》を彷彿とさせる風景は、十代から雅邦に私淑した櫻谷が、京都画壇の抒情的な山水表現に、西洋画の遠近法や点描法なども取り入れて描いています。

画像: 木島櫻谷《厩》昭和6年(1931)櫻谷文庫

木島櫻谷《厩》昭和6年(1931)櫻谷文庫

この馬は労働を終え、馬小屋で休息をとっているようです。穏やかな優しい馬の表情からは、櫻谷の動物に対する優しい愛情が感じられます。傍らに見える可憐な白い花は穏やかな風に花びらが舞い、馬にとって憩いのひとときが描かれています。

画像: 木島櫻谷《孔雀》昭和4年(1929)頃 櫻谷文庫

木島櫻谷《孔雀》昭和4年(1929)頃 櫻谷文庫

孔雀は百鳥の王で、その艶やかな姿は、円山応挙や、伊藤若冲などにも描かれていました。孔雀が止まっているのは、百日紅(さるすべり)で、枝には美しい白い花が咲き誇っています。白い花に鮮やかな青色の孔雀が映えています。
櫻谷は大正二年(1913)京都の市中から衣笠村に移り、隠棲生活を送っていましたが、その庭に白い百日紅の木があったようです。

画像: 木島櫻谷《葡萄栗鼠》(部分図)大正時代 泉屋博古館東京

木島櫻谷《葡萄栗鼠》(部分図)大正時代 泉屋博古館東京

葡萄の葉の緑色の濃淡の中に小さな栗鼠(りす)の愛らしい姿があります。
同じような作品に《菜園に猫》があります。

画像: 木島櫻谷《菊花図》左隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【後期展示】

木島櫻谷《菊花図》左隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【後期展示】

画像: 木島櫻谷《燕子花図》右隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【後期展示】

木島櫻谷《燕子花図》右隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【後期展示】

櫻谷が活躍した文展や帝展が開かれた会場では、広い空間のなかでも人の目を惹きつけられるように、次第に作品の画面が濃密で華やかな色を使い、彩られるようになり、それと同時に、江戸時代にはなかった新しい絵具の開発・誕生が進み、画家たちは多彩な彩色表現を試みるようになっていきます。
櫻谷も明快な色彩や新しい岩絵具の使用、さらには西洋絵画のマチエールを意識したような立体的な彩色などを試みます。大阪・茶臼山の地に建てられた住友家本邸の大広間を飾るための作品を依頼され、四季連作屏風《柳桜図》、《燕子花図》、《菊花図》、《雪中梅花》を制作しました。

画像: 木島櫻谷《燕子花図》左隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【前期展示】

木島櫻谷《燕子花図》左隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【前期展示】

画像: 木島櫻谷《燕子花図》右隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【前期展示】

木島櫻谷《燕子花図》右隻 大正6年(1917)泉屋博古館東京【前期展示】

四季連作屏風は、いずれも金地に濃彩で四季の花々が描かれた豪華絢爛な大屏風で、伝統的な岩絵具とともに近代に生まれた新しい岩絵具が用いられ、花びらの凹凸を2次元的な陰影表現ではなく、3次元的な絵具の盛り上げによって表現したりしています。

画像: 木島櫻谷《竹林白鶴》左隻 大正12年(1923)泉屋博古館東京【前期展示】

木島櫻谷《竹林白鶴》左隻 大正12年(1923)泉屋博古館東京【前期展示】

画像: 木島櫻谷《竹林白鶴》右隻 大正12年(1923)泉屋博古館東京【前期展示】

木島櫻谷《竹林白鶴》右隻 大正12年(1923)泉屋博古館東京【前期展示】

無類の鶴好きであったという、第十五代住友家当主・住友吉左衞門 (号・春翠、1865-1926)のために櫻谷は本作を制作しました。気品のある丹頂鶴は長寿などの吉祥の象徴としても尊ばれ、絵画化されました。
本作では清々しい緑色の艶やかな竹林が生い茂る中、三羽の鶴が佇む光景が描かれています。左隻には群青色で小川が描かれ、その表現は琳派の影響が表れています。金色・白色・緑色・青色が映え、華やかな印象となっています。
櫻谷の描く美しい色彩の日本風情豊かな作品を是非ご堪能ください。

展覧会概要

展覧会名 企画展 ライトアップ木島櫻谷Ⅲ― おうこくの色をさがしに
【同時開催】特集展示「住友財団助成による文化財修復成果―文化財よ、永遠に2026」
会期:2026年4月25日(土)~7月5日(日) *会期中展示替えあり
前期:4月25日(土)~5月31日(日)、後期:6月2日(火)~7月5日(日)
開館時間 :11:00~18:00 ※金曜日は19:00まで開館※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日、5/7(木)(5/4・5・6は開館)
会場泉屋博古館東京
〒106-0032東京都港区六本木1-5-1
展覧会公式サイト 

上記展覧会公式サイトより、入場料など詳細をご覧いただけます。
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)

画像: 展覧会概要

HARIO CAFE 泉屋博古館東京店

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「ライトアップ木島櫻谷Ⅲ― おうこくの色をさがしに」@泉屋博古館東京 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、無料観覧券をお送り致します。この観覧券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2026年5月18日 月曜日 24:00
記載内容
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