画像1: Kiaf SEOUL 2024  
FRIEZE SEOUL 2024
ソウルから発信するアートフェアー

シン・キャピタリズムの中のアートマーケットが市場経済を考える。昨年度に続くソウルのアートフェアーは韓国経済が不景気と聞いていたが、少なくとのギャラリーQのブースは好調だった。現在、ソウル市内には日本も含めて欧米のギャラリーが23ギャラリーも林立する。つまり東京よりソウルの方が遥かにインターナショナルでアートが売買されているということになる。確かに韓国ではアートは非課税扱い(写真の作品は関税がかかる)、会社で作品を購入し、税務署に申告すれば会社が支払うべき税金も戻ってくるようだ。韓国は日本より遥かにこうしたアートによる優遇税の措置が多く存在することで、個人投資家や企業がこぞってアートを購入する。従って海外のメガ・ギャラリーもソウルにブランチを開設するようなったのはこの優遇税の影響も多く考えられる。今年に入って、東京都内に海外のメガ・ギャラリーがオープンしたが、海外のギャラリーに関して非課税と聞く。ソウルのギャラリーは全て非課税扱いだが、東京は海外のギャラリーのみ、とても理不尽な話である。この海外からのメガ・ギャラリーの進出を機会に日本の芸術文化の発展に日本も全てのギャラリーが非課税になることを私たちは希望するが、高額商品を扱っていない日本の小規模のギャラリーは自らの屋台を引くように、坂道を登って行くしかないようである。

画像2: Kiaf SEOUL 2024  
FRIEZE SEOUL 2024
ソウルから発信するアートフェアー
画像: Kiaf SEOUL Gallery Q- Booth B68 参加アーティスト:郭仁植、李晶玉、キム・ソウル、山内幾郎、東菜々美

Kiaf SEOUL Gallery Q- Booth B68 参加アーティスト:郭仁植、李晶玉、キム・ソウル、山内幾郎、東菜々美

アートフェアーでは各ブースで作品の値踏みも盛んで、訪れるコレクターも慣れているのか、殆どの購入者が10%〜20%と価格を下げて交渉してくる。この交渉が逆に彼らの醍醐味のようにも見えるのだが、それはまるで市場(フェアー)そのもので、ギャラリストも気を抜かずに、抗戦するしかないようである。東京でも値踏みはない訳ではないが、購入者も販売者もプライドがあるので、こうした熱気ある?交渉はあまり見かけない。アート作品は素材が油彩、カンヴァスと同じであっても、作品の内容、アーティストの知名度、扱うギャラリーの知名度で価格はいくらでも変わってしまう。以前ギャラリーQでは石田徹也の作品(「ベルトコンベアー上の人」145.6x103cm 1996)をニューヨークのアートフェアーで出品したことがあり、ニューヨークのコレクターに700万円で販売した。石田徹也の生前の販売価格は70万円だった。しかしこの作品が2023年の2月にサザビーズのオークションに出品されて、1億3700百万円の高値で落札された。同じ商品、同じ素材、何も変わらない作品が何故200倍もの価格になってしまうのか。日本ではアーティストや遺族には、追求権(ResaleRight)がないため見返りは全くない。先進国の86カ国のアートマーケットではこの追求権(著作権みたいなもの)は存在するので数%であっても、遺族やアーティストはその恩恵を受けることができる。

 今回のFRIEZE SEOULではニューヨークを拠点とする、世界のアートマーケットに影響を及ぼすメガ・ギャラリーのガゴーシアン・ギャラリーのブースには石田徹也の作品(「使われなくなったビルの部長のイス」145.6x103cm 1996)が出品されていた、偶然にもサザビーズのオークションに出品された同じサイズ、同じ制作年の作品が販売されていた。価格は想像に任せることとする。

画像: 石田徹也(「使われなくなったビルの部長のイス」145.6x103cm 1996)

石田徹也(「使われなくなったビルの部長のイス」145.6x103cm 1996)

画像: FRIEZE SEOUL Gagosian Gallery - Booth C9

FRIEZE SEOUL Gagosian Gallery - Booth C9


アートマーケットの価格は権威によって価格は変化する、ではその権威とは一体何者によって権威づけられるのだろうか。映画ならばエミー賞やオスカー賞が知られているが、アートワールドで、あえて言えばヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展の金獅子賞が知られている。しかしこの金獅子賞を取ったとしても作品の価格が高額になる訳ではない。アート作品の価格はシン・キャピタリズム(新資本主義)と言う、私たちの目の届かないところで、何かの力によって作品の価格が押し上げられている。アートフェアーもその権威付けの力によって、私たちの作品を見る眼が操作されている。かつて現代アートは前衛美術(アバンギャルド・avant-garde:軍隊用語の最前線)と呼ばれ、時代の最先端のアート、権威も名誉も否定することが前衛の道だった、しかし現代ではアートの市場で、前衛が権威となって価格を押し上げている。Kiaf SEOULとFRIEZE SEOULは一般の観客が「アートの権威」について眼に触れることができる絶好の機会なのかもしれない。 
                                             2023年度のKiaf SEOULの売り上げは日本円で70億円、FRIEZE SEOULはさらに70億円以上とKiaf SEOUL(韓国ギャラリー協会)の黄達性会長から私は聞いている。

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ソウルから発信するアートフェアー
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ソウルから発信するアートフェアー
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ソウルから発信するアートフェアー
画像: Frieze SEOUL Gana Art Gallery - Booth M7

Frieze SEOUL Gana Art Gallery - Booth M7

Kiaf SEOUL 2024
4th - 8th Sept.

FRIEZE SEOUL 2024
4th - 7th Sept.

日本からの参加ギャラリー
Kiaf SEOUL 2024:
ART COLLECTION NAKANOA
RT FRONT GALLERYBI
SCUIT GALLERY
GALLERY Q
GALLERY TSUBAKI
KAMAKURA GALLERY
MEDEL GALLERY SHU
√K CONTEMPORARY
SH GALLERY
SNOW CONTEMPORARY
STANDING PINE
TEZUKAYAMA GALLERY
WHITESTONE GALLERY
YOD TOKYO
YUMIKO CHIBA ASSOCIATES

Frieze SEOUL 2024:
ANOMALY
TAKA ISHI GALLERY
YUTAKA KIKUTAKE GALLERY
KOYAMATOMIO GALLERY
MAHO KUBOTA GALLERY
MISAKO & ROSEN
NANZUKA
TARO NASU
SCAI THE BATHHOUSE
TAKE NINAGAWA
TOKYO GALLERY+BTAP
MIZOE ART GALLERY
KAYOKO YUKI

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