暑い日本の夏。8世紀初頭に中国より伝来したとされる団扇(うちわ)は、涼をとるほか虫や邪気を払う道具として使われました。
一方、平安時代に団扇を改良してつくられた扇子(せんす)は、涼をとる実用的な役割の他に、神事や祭礼の道具として茶事や舞などにも用いられ、日本文化と深く関わってきました。美しい絵柄が描かれた扇子は、品格や女性らしさなどを表現するモチーフとして、しばしば絵画の中にも登場します。

このたび、京都の嵯峨嵐山文華館では、団扇や扇子が描かれた日本画作品とともに、主に江戸時代から現代にかけてつくられた様々な扇を展示する「ふぁん・ファン・FUN 〜扇子いいね」が2023年10月9日まで開催されています。

中村芳中による48枚もの扇面が貼られた屏風や、竹内栖鳳や上村松園など近代の著名画家が手がけた粋な美人画や扇絵など、日本風情漂う作品をこの機会にご堪能ください。

団扇や扇子がもたらす風雅や美が、美人画を通して紹介されています。
《京都画壇名家団扇十二幅対》は、明治から昭和にかけて京都で活躍した画家12名によって描かれた団扇の見ごたえある作品で、初公開となっています。
是非、日本情緒あふれる嵯峨嵐山文華館で、心癒されるひとときをお過ごしください。
それでは展覧会構成に従って、作品を観ていきましょう。

第1章 今も昔も愛用される扇子

扇子は涼を取るものとしてだけではなく、絵画の中にも描かれ、繁栄を意味する縁起の良い模様とされ、着物の柄にも用いられてきました。
更に扇子は扇形をした小さなキャンバスでもあります。中村芳中による48枚もの扇面が貼られた豪華な屏風は圧巻です。
本章の最後には職人技が光る京扇子の制作工程も紹介されています。

画像: 土田麦僊 《扇面流》1934年/福田美術館蔵

土田麦僊 《扇面流》1934年/福田美術館蔵

画像: 上村松園《春風》1936年頃/福田美術館蔵

上村松園《春風》1936年頃/福田美術館蔵

画像: 竹内栖鳳《野雀》大正〜昭和時代/白竹堂蔵

竹内栖鳳《野雀》大正〜昭和時代/白竹堂蔵

画像: 中村芳中《花鳥人物扇面貼交屏風》右隻 江戸時代中期〜後期/福田美術館蔵

中村芳中《花鳥人物扇面貼交屏風》右隻 江戸時代中期〜後期/福田美術館蔵

画像: 中村芳中《花鳥人物扇面貼交屏風》左隻 江戸時代中期〜後期/福田美術館蔵

中村芳中《花鳥人物扇面貼交屏風》左隻 江戸時代中期〜後期/福田美術館蔵

画像1: 展覧会風景 photo by ©cinefil

展覧会風景 photo by ©cinefil

第2章 扇のある暮らし

冷房のなかった時代、人々は扇子や団扇で暑さを凌いできました。
扇子を携えた美人を観るだけで涼やかな気持ちになるものです。本章では扇子が醸し出す風雅を、竹内栖鳳や上村松園などの珠玉の美人画を通してご堪能ください。
続いて、夏の必需品として親しまれてきた団扇を描いた作品から、庶民生活の中にある風情をご紹介致します。

画像: 上村松園《花見図》明治~大正時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

上村松園《花見図》明治~大正時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

画像: 伊藤小坡《観菊之図》明治~昭和時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

伊藤小坡《観菊之図》明治~昭和時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

画像: 磯田長秋《浅宵》明治〜昭和時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

磯田長秋《浅宵》明治〜昭和時代/福田美術館蔵 photo by ©cinefil

画像: 菊池契月《京都画壇名家団扇十二幅対》明治〜大正時代/福田美術館蔵

菊池契月《京都画壇名家団扇十二幅対》明治〜大正時代/福田美術館蔵

第3章 著名人による様々な団扇や扇

第3章では、著名人が揮毫するいわばサイン色紙のような役割を担った扇を陳列。近世画家が宿代の代わりに描いた扇子から、現代のイラストレーター・天野喜孝氏の描き下ろし扇絵、将棋界を代表する藤井聡太竜王の揮毫、ミュージシャンが筆を走らせた扇面など、各界の著名人による様々な扇面をお楽しみください。

画像: 忌野清志郎によるイラストの扇面 白竹堂蔵

忌野清志郎によるイラストの扇面 白竹堂蔵

画像2: 展覧会風景 photo by ©cinefil

展覧会風景 photo by ©cinefil

美術館1階の常設展示では100体の歌仙人形(フィギュア)と歌の英訳が並び、藤原定家によって百人一首が撰ばれた時から、昨今人気の競技かるたに至るまでの変遷が紹介されています。
また120畳の広々とした2階の畳ギャラリーでは、じっくり座って自由に鑑賞することも可能です。
時を超え、日本の伝統美に心癒され、涼を感じる嵯峨嵐山文華館へ是非、足をお運びください。

展覧会概要

会期 2023年7月14日(金)~2023年10月9日(月・祝)
前期:7月14日(金)~8月28日(月)
後期:8月30日(水)~10月9日(月・祝)
会場 嵯峨嵐山文華館
住所 京都府右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町11
時間 10:00~17:00 (最終入場時間 16:30)
休館日 8月29日(火)展示替え
観覧料 一般・大学生 1,000円(900円)高校生 600(500円)
小・中学生 400円(350円)
※障がい者と介添人1名まで各600円(500円)

<福田美術館 両館共通券>
一般・大学生 2,300円 高校生 1,300円 小中学生 750円
※障がい者と介添人1名まで 各1,300円
※幼児無料
※( )内は20名以上の団体料金
TEL 075-882-1111

シネフィルチケットプレゼント

下記の必要事項、をご記入の上、「「ふぁん・ファン・FUN 〜扇子いいね」」@京都 シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、招待券をお送り致します。この招待券は、非売品です。
転売業者などに転売されませんようによろしくお願い致します。
☆応募先メールアドレス miramiru.next@gmail.com
★応募締め切りは2023年8月21日 月曜日 24:00
記載内容
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