2022年1月29日(土)より渋谷ユーロスペース、新宿武蔵野館ほかにて公開の映画『麻希のいる世界』に関連して、塩田明彦監督の過去作品である『害虫』と『月光の囁き』の特別上映が決定致しました

『麻希のいる世界』は、新谷ゆづみと日高麻鈴のダブル主演、共演に窪塚愛流と井浦新を迎えた、塩田明彦監督(『害虫』『さよならくちびる』)の長編最新作。塩田監督作品には3回目の劇中歌提供となる向井秀徳の参加も話題の注目作です。物語は、重い持病を抱え生きる希望が持てない高校2年生の由希(新谷)が、破局的な性格だが美しい歌声を持つ同級生の麻希(日高)に魅かれ、麻希とのバンド活動を通して生きる意味を問い直していく、というもの。

今回、公開を記念して塩田監督の過去作品2本をDCPでリバイバル上映することが決定致しました。上映されるのは『月光の囁き』と『害虫』の二作品です。

塩田監督のフィルモグラフィーから、あえてこの二作品が選ばれたのは、まず、それぞれが塩田監督の代表作で人気作品ということが挙げられます。また一方で、両作品とも「青春映画のお約束をことごとく破りながら純愛を描いている」という点で、最新作とも響き合う塩田監督作品のエッセンスを体現できる作品でもあります。偶然にも『害虫』は2022年が初公開から丸20周年という記念の年となります。

■『月光の囁き』

1999年ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭(改称後:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭)審査員特別賞&批評家賞受賞
1999年ロカルノ国際映画祭コンペティション部門オープニング作品
1999年トロント国際映画祭正式出品作品

画像1: (c)2002 日活・TBS・ソニーPCL

(c)2002 日活・TBS・ソニーPCL

“自由で純粋。究極の愛の形を探し求める青春映画”

高校三年生の夏。好意を寄せあいつつ剣道部の仲の良い友人としてふるまい続けてきた北原紗月と日高拓也は、ようやく想いを通いあわせた。自転車二人乗りでの登校、図書室でのデートと夢見ていた通りの交際に、はしゃぐ紗月。一方、拓也はそうした普通の恋愛では満たされない想いを、秘かに紗月の身の周りの物を集めて慰めていた。
そんな拓也の行動を知った紗月は戸惑いながらも、強く反発し始める。しかし、嫌えば嫌うほど、いじめればいじめるほど、マゾヒストの拓也はひたむきに紗月への想いをつのらせてゆく。いつしか、拓也の歪んではいるが純粋な愛に無意識に影響され、普通の恋愛を夢見ていた紗月までもが拓也をいたぶることに快感を覚えだしてゆく。不器用に傷つけ合う二人の愛は、すれ違いゆがみながらも純粋さを増して突き進む。

画像2: (c)2002 日活・TBS・ソニーPCL

(c)2002 日活・TBS・ソニーPCL

塩田明彦監督の劇場映画監督デビュー作にして、ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭(改称後:ゆうばり国際ファンタスティック映画祭)審査員特別賞と批評家賞をダブル受賞するなど、その名を世界に知らしめた作品。青春映画のお約束をことごとくすり抜けながら純愛を描くという点で、すでに最新作につながる塩田監督の資質が現れている。主題歌を提供したスピッツの、爽やかでありながらも様々な解釈が可能な歌詞は、歪みながらも純粋な愛の物語を切なく包みこんでいる。

塩田明彦監督の劇場映画監督デビュー作『月光の囁き』予告編

画像: 塩田明彦監督の劇場映画監督デビュー作『月光の囁き』予告編 youtu.be

塩田明彦監督の劇場映画監督デビュー作『月光の囁き』予告編

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1999年/日本/100分/カラー/モノラル/ビスタサイズ/
DCP/英題「Moonlight Wispers」

監督:塩田明彦 
原作:喜国雅彦「月光の囁き」 
製作総指揮:中村雅哉 企画:吉田達、莟宣次 プロデューサー:根岸洋之、中村聡 脚色:塩田明彦、西山洋一 音楽:本多信介撮影:小松原茂 美術:安宅紀史 録音:坂上賢治 編集:菅野善雄 音響効果:柴崎憲治 助監督:久保朝洋 剣道指導:小澤博、金井辰彦
製作・配給:日活株式会社 配給協力(リバイバル上映):プレイタイム、シマフィルム

出演:水橋研二、つぐみ、関野吉記、井上晴美、草野康太、藤村ちか、相沢しの
主題歌:スピッツ「運命の人」(作詞・作曲:草野正宗)
(c)2002 日活・TBS・ソニーPCL

■『害虫』

2001年ヴェネチア映画祭現代映画コンペティション部門(現・オリゾンティ部門)正式出品作品
2001年ナント三大陸映画祭コンペティション部門審査員特別賞・主演女優賞(宮崎あおい)受賞

画像1: (c)日活

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“誰も止められない。剥き身のまま加速する、少女の疾走”

サチ子は中学1年生、13才。しかし、母親の自殺未遂や、小学校6年生のとき、担任教師・緒方と淡い恋を交わした過去がさまざまな噂話となって、クラスメートたちとなじめない。そんな彼女が唯一心を許せるのが、学校を離れ、町で気ままに暮らす若者たちとささいな悪事をして過ごすときだった。クラスメートの夏子は、そんなサチ子を何とかして再び学校に引き戻そうと努力する。再び学校に通い始めるサチ子。しかし、彼女の居場所はやはりどこにもなかった。彼女が下した選択、それはかつての恋の相手・緒方に会いに行くことだったー。

画像2: (c)日活

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『月光の囁き』『どこまでもいこう』で華々しいデビューを果たした塩田監督3作目の劇場公開作は、不安と孤独に疼く少女の葛藤をクールに描き、反抗的で美しい作品として監督のフィルモグラフィーに刻まれる全く新しい青春映画となった。大人の目から見たステレオタイプな子供ではなく、多面性を持つ一人の人間として子供を描く手腕や、確かな演出力は前作以上に野心的なものとなり、観る者を圧倒する。また、ナンバーガールの向井秀徳が自ら撮影現場に足を運び作詞作曲した「I don’t Know」が、公開から20年を経た今なお強烈なインパクトを与え続けている。

塩田明彦監督『害虫』予告編

画像: 塩田明彦監督・宮崎あおい主演『害虫』予告編 youtu.be

塩田明彦監督・宮崎あおい主演『害虫』予告編

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2002年/日本/92分/カラー/DTS/ビスタサイズ/DCP/英題「Harmful Insect」

監督:塩田明彦 
製作総指揮:中村雅哉 
企画:猿川直人、谷徳彦 プロデューサー:平野隆、平井健一郎、中村聡 ラインプロデューサー:山本章 脚本:清野弥生 音楽プロデューサー:北原京子 撮影:喜久村徳章 照明:豊見山明長 美術:磯見俊裕 録音:臼井勝 編集:菅野善雄 助監督:西村和明 製作担当:黛威久
製作:日活株式会社+TBS+ソニーPCL株式会社 
配給:日活株式会社 配給協力(リバイバル上映):シマフィルム

出演:宮崎あおい、田辺誠一、沢木哲、天宮良、石川浩司(たま)、蒼井優、伊勢谷友介、りょう
音楽:ナンバーガール 劇中歌:「帰り道」(唄:櫛引彩香、作詞・作曲:草野正宗 編曲:高野寛)
(c)日活

リバイバル上映スケジュール

『月光の囁き』

2022年1月21日(金)~28(金)、新宿武蔵野館にて連日レイトショー上映
料金:1,500円均一

『害虫』

2022年1月22日(土)~28(金)、ユーロスペースにて連日レイトショー上映
料金:一般1,500円、大学生・専門学校生・シニア・会員1,200円

塩田明彦監督最新作!
『麻希のいる世界』 
2022年1月29日(土)より渋谷ユーロスペース、新宿武蔵野館ほかにて公開

「麻希のいる世界」予告編

画像: 新谷ゆづみ&日高麻鈴がW主演 共演に窪塚愛流と井浦新、向井秀徳が劇中歌担当 映画「麻希のいる世界」予告編 youtu.be

新谷ゆづみ&日高麻鈴がW主演 共演に窪塚愛流と井浦新、向井秀徳が劇中歌担当 映画「麻希のいる世界」予告編

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2022年/日本/89分/5.1ch/アメリカンビスタ1:1.85/DCP /英題「The World of You」

監督・脚本:塩田明彦 
製作総指揮:志摩敏樹、山口貴義 プロデューサー:大日方教史、田中誠一 
撮影:中瀬慧 美術:井上心平 編集:佐藤崇 照明:福島拓矢 録音:松野泉 
装飾:遠藤善人 衣裳:篠塚奈美 ヘアメイク:倉田明美 助監督:毛利安孝 制作担当:高田聡
音楽プロデューサー:田井モトヨシ 音楽:鈴木俊介

出演:新谷ゆづみ、日高麻鈴、窪塚愛流、鎌田らい樹、八木優希、
大橋律、松浦祐也、青山倫子、井浦新
劇中歌:「排水管」(作詞・作曲:向井秀徳)、「ざーざー雨」(
作詞・作曲:向井秀徳)
製作・配給:シマフィルム株式会社 (c) SHIMAFILMS
公式サイト
https://makinoirusekai.com/

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