直木賞作家・佐木隆三氏の小説「身分帳」を原案とした、『ディア・ドクター』『永い言い訳』の 西川美和監督最新作『すばらしき世界』が 2021 年2月 11 日(木・祝)より全国ロードショーとなります。

中学生のときに西川監督の『ゆれる』を観て衝撃を受けて以来、憧れの人だったという仲野太賀さんが初タッグとなった本作。 お二人揃ってトークイベントに登壇いたしました。

画像: 左より:仲野太賀、西川美和監督

左より:仲野太賀、西川美和監督

■日時:2月5日(金) 18:30~19:30
■会場:代官山蔦屋書店 3 号館 2 階 音楽フロア内 session
(渋谷区猿楽町 17-5)
■登壇者(敬称略/予定)
:仲野太賀、西川美和監督 MC:代官山蔦屋書店 映画コンシェルジュ吉川

今まで手掛けてきた作品を′′我が子“に例え、「5人を育てあげた後に、最初はあらたな恋人ができた感じでしたが、『すばらしき世界』は6作目。前作の発表から 5年が経ちましたが、ようやく巣立ってくれる、子供が成人していく感覚です。」
仲野が演じるテレビディレクター津乃田役のキャスティングは、役所広司演じる主人公・三上との年齢的なアンバランスさ、バディ的な側面を考えて行われたという。中学生のときに西川監督の『ゆれる』に衝撃を受けて以来、西川監督は数少ない憧れの人だった仲野は語る。「その時はオーディションじゃないですけど、一回会いましょうということで、西川さんの事務所に行くことになったんです、その時は信じられない気持ちでいっぱいでした。」と述懐。
そして西川監督のオフィスには、仲野はひとりでふらっと訪れたという。そんな彼の姿に西川監督は「これは作戦なの?こいつ、分かってるなと (笑)。ひとりできてくれたその感じで、距離が縮まったように思ったんです。そこから脚本を読んでどう感じたのか、そういうことを質問して、太賀くんから出た言葉をヒントに改訂していきました。演じる役の性格とその俳優の性格がリンクしている方が良い時とそうじゃない時がある。津乃田役は近い方が良いと思いましたし、太賀くんには、(この役に必要な)観察者の目をもっている気がしたので、実際に会って確かめたいと思いました。

画像: 西川美和監督

西川美和監督

本作の撮影は、石井聰亙(現:岳龍)、阪本順治、豊田利晃ら数々の名監督と組んできた笠松則通が担当。仲野も「それこそ僕も笠松さんのファンだし、笠松さんに撮ってもらえるんだという喜びがありまし た。でも優れた撮影の方ってみんなそうなんですけど、いざカメラの前に立つと受け入れてくれるんです。ドシッと構えているけど、とてもやりやす い環境でした」と感じたという。一方、西川監督は「笠松さんも、普段は絶対に俳優部にこう動いて欲しいとか、言わないんですけど、太賀くんにだけは言っていたよね。」

大勢のスタッフに親しまれ、現場随一の愛され俳優、仲野のことを西川監督は「妖怪・人たらし」と愛情を込めて呼ぶ。本作の発案から公開直前まで、約5年の思いを綴るエッセイを中心にまとめた近著「スクリーンが待っている」の一編「妖怪」の章がそれにあたるのだが「(太賀くんは)スタッフと俳優の狭間にいるような人。現場にいつ来たか分からない。照明部がひとり増えたのかなと思ったら太賀くんだったということもあって。どんなに親しみやすい俳優さんでも、現場に入ってきた瞬間に空気が変わるんですよ。緊張感があって、俳優が帰るとグッと力が抜けるような感じ。太賀くんにはそれがないんですよね」という西川監督に、仲野も笑ってみせた。

本作ではやり手の TV プロデューサー吉澤役として長澤まさみが出演。これまで数々の映画、CM などで共演してきた長澤のことを「僕としては強い縁を感じるし、信頼も置いていただいているなという自覚もあって。僕も信頼していますし、長澤さんだったら姉弟もできますし、上司も部下もできる。信頼関係があるので、長澤さんとの関係は楽しいですね。役者も、『はじめまして』で芝居をすることはありますけど、信頼関係があるとより大胆にならざるを得ないというか。スッと入っていける感じがあります」と感じているという。
その言葉を聞いた西川監督は「キムラ緑子さんは、役所さんとの共演が一番多いとおっしゃっていたんですよ。それで(劇中で見せる)あのお芝居じゃないですか。二人のシーンはとてもいいシーンなんです。長澤さんと太賀くんもそうなるかもね」と語ると、 仲野も「波長も合うし、信頼関係や化学反応もあるので、いろんな組み合わせでやれたらいいなと思います」と振り返った。

画像: 仲野太賀さん

仲野太賀さん

長澤は役所との共演にものすごく緊張していたそうで、その姿を間近で見ていた仲野は「西川組だからというのもあると思います。 長澤さんのソワソワした感じもなかなか見ることができない(笑)。普段は、どっしりという感じではないけど、(主演という)軸が長澤さんにある現場でご一緒するところが多かったんです。でも今回は役所さんという軸があって、素直に憧れや尊敬もあるし、こっちが勝手に感じてしまっているだけなんですけど(役所さんに)どこかで試されているような気になってしまう。長澤さんは、一個一個の作品 に誠実に向き合っている人なんだと改めて感じました。」と振り返る。

画像: プレゼントを仲野太賀さんに渡す西川美和監督

プレゼントを仲野太賀さんに渡す西川美和監督

イベントも終盤に差し掛かると、2 月 7 日に 28 歳の誕生日を控える 仲野へ、西川監督からサプライズでプレゼントが! 上田義彦、ソール・ライターという 2 人の写真家の本を手渡された仲野は「ありがとうございます。うわぁ、うれしい~!!」と感激した様子でコメント。会場からは祝福の拍手が鳴り響いた。

画像: 写真集を手に嬉しそうな表情の仲野太賀さん

写真集を手に嬉しそうな表情の仲野太賀さん

『すばらしき世界』予告

画像: 主演 役所広司 × 脚本・監督 西川美和の問題作『すばらしき世界』予告編 youtu.be

主演 役所広司 × 脚本・監督 西川美和の問題作『すばらしき世界』予告編

youtu.be

<ストーリー>
下町の片隅で暮らす短気ですぐカッとなる三上(役所広司)は、強面の見た目に反して、優しく て真っ直ぐすぎて困っている人を放っておけない男。しかし彼は、人生の大半を刑務所で暮らした元殺人犯だっ た。一度社会のレールを外れるも何とか再生しようと悪戦苦闘する三上に、若手テレビマンの津乃田(仲野太 賀)と吉澤(長澤まさみ)がすり寄りネタにしようと目論むが...。三上の過去と今を追ううちに、逆に思いもよらな いものを目撃していく――。

出演:役所広司 仲野太賀 橋爪功 梶芽衣子 六角精児 北村有起哉 白竜 キムラ緑子 長澤まさみ 安田成美 脚本・監督:西川美和
原案:佐木隆三著「身分帳」(講談社文庫刊)
配給:ワーナー・ブラザース映画 ©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会

2021 年2月 11 日(木・祝)全国公開

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