日本の「漫画」は、世界共通言語の「MANGA」として、世界から脚光を浴び、愛され続けています。
すみだ北斎美術館で開催中の「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」では、江戸時代の葛飾北斎、歌川国芳、河鍋暁斎などの浮世絵版画から明治・大正時代の諷刺漫画雑誌、昭和戦中期の子ども漫画等、日本の漫画の変遷を辿ります。
今や世界的ブームを巻き起こした日本の漫画ですが、その起源には、様々な説があります。本展では、印刷文化が発展した江戸時代の諷刺表現である戯画を、現代日本で認識されている漫画的な表現の出発点としています。
幕府の改革、幕末の動乱、近代化、社会の矛盾や事件、庶民の日常など、浮世絵の「戯画」は様々な事柄を時にユニークに、時に辛らつに伝えました。
そして明治になり、新聞や雑誌など近代的ジャーナリズム媒体の誕生と共に「戯画」は挿絵へ、そして漫画へと姿を変え、漫画雑誌が刊行されるに至り、大衆が楽しめる新しい絵画表現として確立しました。
本展では、江戸時代の浮世絵版画と、明治以降に台頭した漫画雑誌や漫画本などの近代漫画まで総数約270点の「漫画のルーツ」が集結しています。
より多くの作品をご覧いただくため、本館初となる前期・中期・後期の3つの会期で一部展示替えが行われます。
それではシネフィルでも、江戸時代の北斎、国芳、暁斎などの浮世絵版画(第1章)と、明治以降に台頭した漫画雑誌や漫画本などの近代漫画(第2章、第3章)に分けて、いくつかの作品を紹介致します。
浮世絵版画
第1章(商品としての量産漫画の誕生 江戸中期からの戯画の大衆化 ~戯画本・戯画浮世絵)の展示から
江戸時代は印刷出版技術が発展し、浮世絵版画の分野で、北斎や国芳など全国的な人気を誇る絵師が次々と登場。
なかには諷刺を込めた「戯画」が多数登場し、民衆の人気を集めました。
*「戯画」とは、人物の顔や動物などを遊びの目的や滑稽さ、諷刺的な意味を持たせて描かれた絵のこと。
歌川国芳の本作は、多様な発想で人々を楽しませた「遊び絵」です。
本作は、「ゑ(え)んぎがよし」「きげんがよし」「ゆめでもよし」など世の中にあふれている「よし」(良いこと)を集めて描いた作品です。
『北斎漫画』には漫画の原点ともいえるコマ表現やキャラクター性を感じる描写が多く確認できます。くすっと笑ってしまうようなポーズは、一連の動きから切り取ったような表現です。
「心夢吉凶鏡」では、心や言葉のメッセージを伝える「吹き出し」が用いられています。
本作では、美味しいものを求める「口のよく(欲)」歌舞伎を観たい「目のよく(欲)」などの欲望が描き込まれています。
「狂斎百図」は、人気絵師暁斎がことわざを題材にユーモアを交えた戯画のシリーズで、「藪から棒」では、七賢人が竹藪の向こうから伸びる孫悟空の棒でつつかれびっくりしている様子が描かれています。、
近代漫画
第2章( 職業漫画家の誕生 ~ポンチ・漫画の時代へ)
第3章 (ストーリー漫画の台頭 ~昭和初期から終戦まで)の展示から
明治時代になると海外の影響を受け、時事的テーマ等を諷刺画と文章で紹介した漫画雑誌が登場。
教科書でも目にするワーグマン『THE JAPAN PUNCH』をはじめとした明治時代の貴重書は必見です。
『THE JAPAN PUNCH』は、時事的なテーマや横浜居留地内の出来事を、皮肉とユーモアを交えて諷刺しました。
時局諷刺画を指す「ポンチ」という言葉のきっかけとなった貴重な作品です。
『お伽 正チャンの冒険』は、日本初の日刊連載の新聞4コマ漫画です。
キャラクター性のある絵柄とストーリー展開で多くの読者に親しまれました。
時空を超え、今も愛されるたくさんの「戯画・漫画」が現代の私たちに「笑い」を届けてくれます。
是非、この機会に「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」をご堪能下さい。
開催概要
展覧会名 「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」
会 期 2020 年 11 月 25 日(水)~2021 年 1 月 24 日(日)※一部展示替えを実施
前期|2020 年 11 月 25 日(水)~12 月 13 日(日)
中期|2020 年 12 月 15 日(火)~2021 年 1 月 3 日(日)
後期|2021 年 1 月 5 日(火)~2021 年 1 月 24 日(日)
休館日 毎週月曜日、年末年始(12 月 29 日~1 月 1 日)
※開館:1 月 11 日(月・祝)、休館:1 月 12 日(火)
開 館 時 間 9:30~17:30(入館は 17:00 まで)
主 催 墨田区・すみだ北斎美術館、毎日新聞社
監 修 清水勲(漫画・諷刺画研究家、元京都国際マンガミュージアム研究顧問、元帝京平成大学教授)
協 力 京都精華大学国際マンガ研究センター/京都国際マンガミュージアム
お 問 い 合 わ せ 03-6658-8936 (9:30~17:30 ※休館日を除く)
公 式 サ イ ト ↓
ご来館の際には、すみだ北斎美術館公式ホームページ(https://hokusai-museum.jp/)にて最新の開館状況をご確認ください。なお、今後予告なしに期間を変更させていただく場合がございます。何卒ご了承ください。
観覧料 一般 1,200 円 高校生大学生 900円 65 歳以上 900円 中学生400円
障がい者 400円 小学生以下 無料
※団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。
※中学生・高校生・大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
※65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
※身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで障がい者料金でご覧いただけます(入館の際は、身体障がい者手帳などの提示をお願いします)。
※本展のチケットは、会期中観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)をはじめ全ての展示をご覧になれます。
ご入館時にはマスクの着用や手指の消毒等のご協力をお願いしております。
詳細はすみだ北斎美術館公式ホームページ「再開にあたりご来館のお客様へご協力のお願い」」をご一読ください。
「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」@東京シネフィルチケットプレゼント
下記の必要事項をご記入の上、「GIGA・MANGA 江戸戯画から近代漫画へ」@東京シネフィルチケットプレゼント係宛てに、メールでご応募ください。
抽選の上5組10名様に、ご本人様名記名の招待券をお送りいたします。
記名ご本人様のみ有効の、この招待券は、非売品です。
チケットの転売は禁止です。
☆応募先メールアドレス info@miramiru.tokyo
*応募締め切りは2021年1月11日 祝・月曜日 24:00
記載内容
1、氏名
2、年齢
3、当選プレゼント送り先住所(応募者の電話番号、郵便番号、建物名、部屋番号も明記)
建物名、部屋番号のご明記がない場合、郵便が差し戻されることが多いため、
当選無効となります。
4、ご連絡先メールアドレス、電話番号
5、記事を読んでみたい監督、俳優名、アーティスト名
6、読んでみたい執筆者
7、連載で、面白いと思われるもの、通読されているものの、筆者名か連載タイトルを、
5つ以上ご記入下さい(複数回答可)
8、連載で、面白くないと思われるものの、筆者名か連載タイトルを、3つ以上ご記入下さい
(複数回答可)
9、よくご利用になるWEBマガジン、WEBサイト、アプリを教えて下さい。
10、シネフィルへのご意見、ご感想、などのご要望も、お寄せ下さい。
また、抽選結果は、当選者への発送をもってかえさせて頂きます。