10/21から韓国・釜山で開催されているアジア最大の映画祭、第25回釜山国際映画祭の最終日の30日、ニューカレンツ部門(新人監督コンペティション部門)にノミネートされている春本雄二郎監督の「由宇子の天秤」(英題:A Balance)が、コンペ部門最高賞である『ニューカレンツアワード』を受賞しました。
先頃、中国で開催された平遥国際映画祭での受賞と合わせて、3つ目の受賞となります。
釜山国際映画祭は、カンヌ、ベルリン、ヴェネチアに次いで世界が注目する主要な映画祭の一つ。
ニューカレンツ部門は「新しい潮流」という名の通り、長編2作目までの新人監督が賞を競い合うコンペティション部門。今年、日本でヒットした韓国映画「はちどり」のキム・ボラ監督をはじめ、多くの若き才能を発掘しています。
また、受賞をうけて、「由宇子の天秤」のプロデューサーである映画「この世界の片隅に」の監督・片渕須直をはじめ、メインキャストの光石研、河合優実、梅田誠弘ら、春本雄二郎監督のコメントも到着しました。
【片渕須直プロデューサーコメント】
いろいろな縁があって、春本雄二郎監督の第二作にプロデューサ-という肩書で参加させていただいています。春本監督が書く脚本を眺める、というのが主な仕事だったのですが、そうした初期の段階からすでにこの作品は、主題的にも、表現的にも重要なものとなるだろう、と予感させられるに十分なものでした。形になった映画が、様々な賞を得て、さらに今回は釜山国際映画祭のニューカレンツ部門で最高賞を受賞する栄誉を受けたという報せは、介添え役としても、喜び一入です。まさに春本監督の面目躍如です。
【光石研コメント】
この度は釜山国際映画祭、ニューカレンツアワード受賞、おめでとうございます。クランクインの前からリハーサルを重ね、春本監督の並々ならぬ想いを受け作品に挑みました。春本監督、本当におめでとうございます。
【河合優実コメント】
『由宇子の天秤』が由緒ある賞を受賞し、また自分がこの映画の一部になれたこと、大変光栄に思います。
萌という役を立ち上げる事に共に真摯に向き合って下さった春本監督、至らない所ばかりの私にずっと親身に寄り添って下さった瀧内さんを始め、キャストの皆様、すべてのスタッフの皆様、そして『由宇子の天秤』を観て下さった皆様に、改めて、心より感謝申し上げます。
【梅田誠弘コメント】
釜山国際映画祭という素晴らしい舞台での授賞は言葉になりません。本当に嬉しいです。これを機にこの作品がさらに力を増し、あらゆる視点から世界の人々に議論されるものになっていくことを願います。
【春本監督コメント】
大変栄誉ある賞を本作に与えていただき審査員の皆様に感謝を申し上げます。本作は、私自身がイチから製作資金を集めて作った正真正銘のインディペンデント映画であり、まだほとんどの人々に存在を知られていない状況です。劇中で、ドキュメンタリー監督である主人公が、社会的に虐げられている人に対し、「私は光をあてることができます」と言います。まさに、映画祭における賞は、小さな作品にとって、大きな光、であります。この受賞を糧に本作がより多くの人に観てもらえるように務めたいと思います。そしてこの大変な状況の中、映画祭を最後までやり遂げられたスタッフの皆様、そして観客の皆様に、改めて感謝を申し上げます。
作品は、女子高生自殺事件を追うドキュメンタリー監督である由宇子(瀧内公美)が、事件の真相に迫りつつある中、学習塾を経営する父の政志(光石研)から衝撃的な事実を聞かされ、突如、究極の選択を迫られ答えを求めてもがく姿を描いています。
この後、「由宇子の天秤」は10/30から開催の東京フィルメックス・コンペティション部門にノミネートされており、賞レースの行方にさらなる注目が集まります。
【ストーリー】
ドキュメンタリーディレクターの由宇子は、今、世に問うべき問題に光を当てることに作家としての信念を持ち、そのためには妥協を許さず、保守的な製作サイドと衝突することも厭わない。
一方で、唯一の家族である実父の政志が経営する塾を手伝い、慎ましくも幸せに二人三脚で生きてきた。
けれども、ある日、由宇子が思いもかけない政志のある行動によって、由宇子の信念を激しく揺さぶる事件が起きる…。
脚本・監督・編集:春本雄二郎
プロデューサー:春本雄二郎 ・ 松島哲也 ・ 片渕須直
ラインプロデューサー:深澤知 /キャスティング:藤村駿
撮影:野口健司/照明:根本伸一/録音・整音:小黒健太郎/音響効果:松浦大樹
美術:相馬直樹/装飾:中島明日香/小道具:福田弥生/衣裳:星野和美/ヘアメイク:原田ゆかり
英語字幕:ドン・ブラウン 櫻井智子
『キャスト』
瀧内公美/河合優実/梅田誠弘/
松浦祐也/和田光沙/池田良/木村知貴/
川瀬陽太 /丘みつ子 /光石研ほか
製作:映画「由宇子の天秤」製作委員会
製作協力:高崎フィルム・コミッション
特別協力:株式会社 鈍牛倶楽部 ・ 日本大学芸術学部 映画学科 放送学科
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
海外セールス:東映株式会社 国際営業部
(日本/152分/カラー/5.1ch/1:2.35/ドラマ/DCP)
©️2020映画工房春組
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