俳優・窪田正孝の写真集やMr.Children、クラムボン、 森山直太朗などのアーティスト写真を撮影してきた“ろう”の写真家・齋藤陽道(さいとうはるみち)が、自身の子育てを通して、嫌いだった「うた」に出会うまでを記録したドキュメンタリー映画『うたのはじまり』が2/22(土)より東京、シアター・ イメージフォーラムで公開となり初日舞台挨拶が行われました。
「“うた”は僕にとって、自然なものになりました。」
2/22(土)快晴の東京・渋谷、シアター・イメージフォーラムの映画『うたのはじまり』公開初日初回
10:50の回<絵字幕版>の上映後に、本作の主人公でもあるろうの写真家、齋藤陽道(さいとうはるみち)さ ん、その妻で同じくろうの写真家である盛山麻奈美(もりやままなみ)さん、本作の中でこの世に生を受ける瞬間が描かれている長男の盛山樹(もりやまいつき・4歳)君、本作撮影時にはまだ生まれていなかった 次男の盛山畔(もりやまほとり・1歳3ヶ月)君の家族4人と、河合宏樹監督、そして急遽参加となった< 絵字幕版>のScore Drawingを担当した小林紗織(小指)の6人が登壇すると満席の劇場は大きな拍手に包まれました。
まず河合宏樹監督が、映画の出演者、スタッフへの感謝を全ての方の名前を挙げながら丁寧に伝えました。 続いて齋藤陽道さんからのご挨拶、「この映画によって自分には関係ないと思っていた“うた”の本当に深 い広い魅力に気付かせてもらいました。」と映画の魅力を語り、ご来場のお客様への感謝を手話で伝えました。
続いて陽道さんに肩車されていた長男の樹君の挨拶のはずが少し照れた様子だったので、盛山麻奈美さ んのご挨拶へと進みました。「この映画を観た方からは出産シーンについて良く聞かれるのですが、別に隠す事ではないし、人は皆、母親から生まれるし、人生にとって大変重要な事なので、自然な流れで撮影をしてもらいました。」と伝えました。そして、急遽の登壇となりました<絵字幕版>のScore Drawingを担当した小林紗織(小指)さんより「今回映画に参加出来た事は大変光栄だし、これまでやってきた事が生まれ変わったと感じました。皆さんの感想が聞けたら感動です。」と挨拶。
そして、最後に河合監督より次男の畔君を紹介。なんと河合監督は畔君の出産にも立ち会ったとのこと。その後、監督がこの映画に込めた強い思いを伝え、最後に再び齋藤陽道さんよりご挨拶がありました。「あらためて、この映画を通して、これまで知る事が出来なかった音楽を経験できた事は素晴らしい体験でしたし、長男の樹が生まれた時には、 まだ手探りだった子守歌が、畔が生まれた時には普通に子守歌を歌う事が出来ました。いまはもう僕にとっては“うた”は自然なものになったのです。」と伝えると場内は大きな拍手に包まれました。最後はお客様を交えてのフォトセッションとなり笑顔で舞台挨拶は終了しました。舞台挨拶後のサイン会は長蛇の列がしばらく途切れない盛況となりました。
映画『うたのはじまり』予告編
ある日、息子への子守歌が生まれた――。
“ろう”の写真家、齋藤陽道。20歳で補聴器を捨てカメラを持ち、 「聞く」ことよりも「見る」ことを選んだ。彼にとっての写真は、 自分の疑問と向き合う為の表現手段でもある。そんな彼の妻・盛 山麻奈美も“ろう”の写真家である。そして彼女との間に息子を授かった。“聴者”だった。
幼少期より対話の難しさや音楽教育への疑問にぶち当たり、「うた」を嫌いになってしまった彼が、自分の口からふとこぼれた子守歌をきっかけに、ある変化が訪れる...。生後間もない息子の育児を通して、嫌いだった「うた」と出会うまでを切り取った記録。 抱いた赤子に突然泣かれ、ふと子守歌がこぼれる、誰にでもある経験。音は「どんな色をして、どんな形をしているのだろうか?」。 無意識に現れた「うた」は一体どこから来たのか。
監督は、古川日出男等による朗読劇「銀河鉄道の夜」の活動を二年に渡り追ったドキュメンタリー映画『ほんとうのうた』(14)、 七尾旅人が戦死自衛官に扮したライブ映像作品『兵士A』(16)等の河合宏樹。
監督・撮影・編集:河合宏樹
整音:葛西敏彦|字幕作成:Palabra株式会社|Score Drawing:小指
出演:齋藤陽道、盛山麻奈美、盛山樹、七尾旅人、飴屋法水、CANTUS、ころすけ、くるみ、
齋藤美津子、北原倫子、藤本孟夫 他
2020年|日本|カラー|16:9|86分|DCP|PG12|
配給:SPACE SHOWER FILMS
© 2020 hiroki kawai / SPACE SHOWER FILMS
公式
Twitter&facebook:@utanohajimari