公開から2ヶ月目を迎えた今も新宿武蔵野館他で大ヒット中のオダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』。本当に人間らしい生き方とは何か? 本作は、その根源的な問いにひとりの船頭の姿を通して向き合う物語。
今年9月の第76回ヴェネチア国際映画祭ヴェニス・デイズ(コンペティション)部門正式出品を皮切りに、エル・グーナ映画祭(エジプト)、釜山映画祭(韓国)、モントリオール・ニューシネマ映画祭(カナダ)、平遥映画祭(中国)など、世界中の映画祭で上映され、全回満席、大絶賛を受けてきた本作。そしてこの度、トルコで開催された第56回アンタルヤ国際映画祭のコンペティション部門に出品、最高賞となる最優秀作品賞を受賞。これは日本映画として初の快挙となります。
アンタルヤ国際映画祭 概要
■開催期間:10月26日~11月1日(現地時間)
■『ある船頭の話』の公式上映(上映後に監督QA登壇):10月29日17:00(現地時間)
■受賞式(監督参加):11月1日20:45(現地時間)
■登壇者:オダギリ ジョー監督
アンタルヤ国際映画祭
アンタルヤはトルコ南西部アンタルヤ県の県都で、地中海に面したリゾート地として人気がある風光明媚な港町。アンタルヤ国際映画祭は、トルコで初めて確立された国際映画祭で、今回で56回目を迎える歴史を持つ。日本映画では2017年(第54回)に河瀨直美監督『光』がコンペティション部門にノミネート。2018年(第55回)に是枝裕和監督『万引き家族』がコンペティション部門にノミネートされ、日本映画として初の監督賞を受賞。本作『ある船頭の話』は第56回本映画祭において、作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞の4部門にノミネートされ、作品賞を受賞。作品賞の受賞は日本映画では初の快挙となりました。
下記、現地入りしたオダギリジョー監督のコメントが、到着しました。
現地時間10月29日(木)17時には、トルコで初となるプレミア上映が行われ、800席の会場は早々にソールドアウト。
上映後は会場から拍手がわき、オダギリ監督が登壇したQ&Aは大盛況。終了後も写真撮影を求める観客で溢れ、作品、そしてオダギリ監督への賛辞のコメントが飛び交いました。
日本時間11月2日(土)AM2:45(現地時間11月1日(金)20時45分)に行われた授賞式には、オダギリジョー監督が登壇。受賞結果が発表されると、場内は割れんばかりの拍手に包まれました。
トロフィーを受け取ったオダギリ監督は、
「アンタルヤ国際映画祭 最優秀作品賞、ありがとうございます。56年の長い歴史ある映画祭で最優秀作品賞という名誉を授かることになり、大変光栄に思います。この作品は分かりやすいエンターテイメント作品ではありません。商業的な、ビジネス的な目線を排した、挑戦的な作品です。それゆえに、好き嫌いがハッキリと分かれると思います。でも、僕にとって『映画』とはそういうものであって欲しい。全ての人に愛されるよりも、一部の人に深く、えぐるように突き刺さるものであって欲しいと思っています。この作品が賞を頂くことはそんな志を共有する若い映画人の未来にも明るい光を当てる事を意味すると思っています。今回、監督として、人生で初めて賞をいただきました。それがトルコで、ここアンタルヤということを嬉しく思いますし、自分の人生に刻まれる大切な場所になりました。この作品で力を尽くしてくれた全てのスタッフ、キャスト、そして関係者の皆様に感謝しつつ、アンタルヤ映画祭に、そしてアンタルヤの皆さんに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。」とコメントを寄せました。
本作は今後も香港アジアン映画祭(香港)、ハワイ映画祭(アメリカ)、台北・金馬奨映画祭(台湾)、アラヴァ国際映画祭(イスラエル)、ケララ国際映画祭(インド)といった世界各地での映画祭での上映が決定している。
オダギリジョー長編初監督作品『ある船頭の話』本予告
STORY
一艘の舟。全ては、そこから始まる―。
近代産業化とともに橋の建設が進む山あいの村。川岸の小屋に住み船頭を続けるトイチは、村人たちが橋の完成を心待ちにする中、それでも黙々と渡し舟を漕ぐ日々を送っていた。そんな折、トイチの前に現れた一人の少女。何も語らず身寄りもない少女と一緒に暮らし始めたことで、トイチの人生は大きく狂い始める―。
脚本・監督:オダギリ ジョー
出演:柄本明、川島鈴遥、村上虹郎/伊原剛志、浅野忠信、村上淳、蒼井優/笹野高史、草笛光子/細野晴臣、永瀬正敏、橋爪功
撮影監督:クリストファー・ドイル
衣装デザイン:ワダエミ
音楽:ティグラン・ハマシアン
公式Twitter:https://twitter.com/sendou_jp
公式Facebook:www.facebook.com/sendou.jp
配給:キノフィルムズ/木下グループ
© 2019「ある船頭の話」製作委員会