外務省勤務から独立、タイ料理店をはじめ現在13店舗を展開するスースーチャイヨーの川口洋社長に日本で働くアジア移民の現状について伺いました。

画像1: 外国で働く移民の現状-『ザ・レセプショニスト』劇場公開特別インタビュー【日本で働くアジア移民の現状】株式会社スースーチャイヨー川口洋社長

タイ料理をはじめたきっかけ

大学生の19歳くらいから海外に興味を持ち、52ヶ国くらい訪問しています。
海外で働きたいと思ったのがきっかけで外務省に入省し、中東を中心に勤務していました。
日本に戻り、ある日ふとしたきっかけでタイ料理にはまり、なぜかお店を経営したいと思いはじめたんですね。
その思いがおおきくなり、ついに外務省を辞めて、タイ料理屋で修業をしながらファミリーレストランで働きながら接客業を身につけタイ料理店をオープンしました。
それが35歳の時、今から15年前です。
現在は、タイにも店舗を出すようになり、国内で13店舗を運営しています。

異国で働くということ

お店で働く人は日本人、タイ人などあまり関係なく一緒に働いています。
コックさんは味の問題もあるので本国から雇用して日本に来てもらっていますが、ホールのスタッフは日本に住むタイ人もいますし、タイから働きたい、といってくる人もいます。
みんな明るく働いていると思います。
国民性なのか、今を一所懸命に頑張る人が多いようですね。今、ここに集中していることが幸せ、ということで生きていることを感じます。
日本人、タイ人間の軋轢はあまり感じないです。むしろホールとキッチンのぶつかりのほうがあるかなあ(笑)飲食あるあるで(笑)
国籍ということでの問題はあまりないような気がします。

日本で働くアジア人の多くは、お金を稼ぎたい、ということが目的の人が多いような気がします。あとは、日本に夢を持ってくる人とか。
アジア諸国のなかでも日本は人気があるんじゃないでしょうか。
でも三年働いてお金稼いで自国に戻る、という意識よりは長く日本にいたい人が多いと感じます。
今年の春から日本の法律も改正され、外国人が働きやすい環境にもなっているんじゃないでしようか。

画像2: 外国で働く移民の現状-『ザ・レセプショニスト』劇場公開特別インタビュー【日本で働くアジア移民の現状】株式会社スースーチャイヨー川口洋社長

異国で働く問題点

異国で働くわけですから、それなりに大変だと思いますよ。
特に大変なのは「言葉」と「文化」の問題。
働いているタイ人が病院に行くにしても、会社の日本人スタッフがついていったりとケアをする必要はあります。

「言葉」「文化」は、移民、異国に住む人々が一番最初に直面する問題だと思います。
しかし、私は二世・三世の世代にもっと大きな問題が生じるのではないかと思っています。

私が外国に行っていた学生時代はアジア人はあまり外国で見かけなかったんですよね。
ロンドンとかの欧州で、今はアジア人を含め多様な人種の方を見かけるようになりました。そして欧州で生まれたけれど差別を感じる移住者の子供世代が社会不安を生み出す原因になっているとも言われています。

日本でも移住者は増えていくと思いますけど、私は移住者の子供たちのことが心配です。十分な教育を受けられないケースや、自分のアイデンティティがどこにあるのかあいまいになっているケースもこれまでに見ました。

第一世代は、自ら移住してくるので、苦労や不自由は覚悟してくるからよいでしょうが、その先の第二世代、第三世代が、特に日本で生まれた人が、なんらかの差別を受けたり、受けていると不満を感じるようであれば、社会的な不安も生じると思います。ですので移住者の家族、子供世代へのサポートは、会社のみならず国や自治体レベルでもしっかりと考えてやるべきと思います。

『ザ・レセプショニスト』予告

画像: 『ザ・レセプショニスト』(THE RECEPTIONIST)予告編 youtu.be

『ザ・レセプショニスト』(THE RECEPTIONIST)予告編

youtu.be

『ザ・レセプショニスト』

監督:Jenny Lu|出演:Teresa Dailey、Josh Whitehouse、Chen Shiang Chi|2017年|イギリス・台湾 合作|102分|
配給・宣伝:ガチンコ・フィルム
配給協力:イオンエンターテイメント

10/26(土)~11/15(金)新宿K's cinema
10/25(金)~イオンシネマ板橋、名古屋茶屋、茨木

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