《各界著名人コメント》

・谷川 俊太郎(詩人)
見終わった瞬間、これからまことさんはどうするんだろう、どうなるんだろうと、 他人事でなく心配になりました。映画のリアルと私自身の日々の現実がシンクロしたんです。

・諏訪 敦彦(映画監督)
誰かを撮影したいと思い、カメラを向けることは、それがどんな相手であってもある種の愛の 行為であると私は思う。その笑顔に魅せられて「彼の見る世界を知りたくなった」と人間味に 満ちた友情の物語が紡がれてゆくが、ふと物語が消え、カメラが立ち尽くし、黙ってただ彼を 見つめるしかない瞬間が何度も到来する。その時カメラが発見しているのは決して語ることの できない何かである。カメラは語るのではなく、ただすべてを肯定するのだ。そしてその何か が知らぬ間に成長し、ドキュメンタリーとかフィクションも関係なく、信じがたい純粋なイ メージとなって立ち上がる瞬間が訪れる。まことさんはひとりである。そしてまことさんはひとりではない。そのことを私たちは知る。それは恐ろしくも美しい映画の結晶のような瞬間だった。

・原 美樹子(写真家)
身の回りの事々を執り行うまことさんの一つ一つの所作の美しさ、確かさに、まことさん自身 が在り、お母さんが在る。まことさんの存在は、かつてお母さんの日々のよすがでありつづけ、そして、今は、生きづらさを抱えた監督さんの創造のよすがとなる。世の中捨てたもんじゃないなと思う。まことさんと監督さんの「しあわせ」を、二人とともに、星に願う。

・綾屋 紗月
(自閉スペクトラム症者/東京大学先端科学技術研究センター特任研究員/おとえもじて(発達障害者が運営・参加する当事者研究会)代表)
慎重に繰り返される自己身体やモノとの微調整が「こだわりが強い」と呼ばれてしまうこと。 その微調整の積み重ねがいっぱい詰まった、ささやかな生活習慣と環境から引きはがされる不安と痛み。それらは “自閉症”とされる人間に限った特徴ではなく、多かれ少なかれ誰しもが持つ感覚であることを、「まことさん」の日常を繊細に伝えるこの作品を通して、多くの“健常者”が気づかされることだろう。

・稲葉 俊郎(東京大学医学部付属病院 循環器内科 助教)
発達障害とされる人たちは、ゆっくりゆっくりと自分のペースで発達する人たちだ。慌ただし いスピード社会からはじき飛ばされて困っている。植物は引っ張っても伸びない。サンサンと 照る太陽の光と、適量な水と、根を張る大地とが必要なだけだ。植物原理で生きる人たちも、 光と水と土地を求めている。儀式のような日々の暮らしは、社会の歪みのバランスをとる神事 のように見えた。わたしたちはその神事に参加できているだろうか。

・森 達也(映画監督・作家)
この題材で映画として成立するのか。そう危ぶみながら観た。杞憂だった。目を離せない。
でもラスト近く、撮る側の意図が透けて見え始めた。作品の危うさとエゴと被写体への加害性。同業者として正視はつらい。目をそむけたくなる。あなたにはそれも含めて観てほしい。

・栗栖 良依(SLOW LABEL ディレクター)
観ているうちに、主人公のまことさんに対する尊敬の念が芽生えてくるとともに、「障害って 何だろう?」と改めて考えさせられる作品です。わたしたちは「常識」なんてつまらない概念を捨てるべきときに来ていると思うのです。作品の中で、まことさんと坪田監督が「幸せになりたい」と願う場面がありますが・・・「じゅうぶん、幸せそうですけど!?」って叫びたいです!

・松浦 祐也(俳優)
どうしたんだよ坪田さん!もっと傲慢で吐き気するくらいの露悪的な映画にすりゃあいいじゃない!「だってしょうがないじゃない」って何よ!言い訳がましい事やらんでよ!続編観たいよ坪田さん、、、。映画を観終わり消化できないモヤモヤした感情とやるせなさが噴出してから、ふと思う。坪田さんやまことさんと同じように宿題だらけの自分の家族のことや親族のこと、社会のこと。むむ、なんだか色んなことを考えさせられちまうナ。畜生!坪田さんよ! これがあんたのやり方かよ!畜生め!しょうがねぇからもう一度観る!

・渡辺 篤(現代美術家)
発達障害を持つ"おじさん"を見つめ続ける監督の目は、ゆったりと優しい。ありのまま存在を 肯定する眼差しだ。 カメラは時として人の営みを搾取し傷ける。けれどもカメラは人に寄り添 う事の出来る眼差しでもあると知らされる。おじさんに向けられた眼差しは、そこに監督自身 を投影し、自らを知る探求にも進む。 映像を見つめる私たちは、これまで他者にどんな眼差し を向けてきたのだろう。そしてどんな眼差しを求めてきたのだろう。

・姫野 桂(フリーライター)
淡々とした一見「普通」の日常でも、全員が全員、見ている世界が同じなわけではない。広汎性発達障害のあるまことさんの、私には見えていない世界が、ほんの少し垣間見えた気がする。本作品ではまことさんが毎日入浴しなかったり、洗濯をしなかったりすることを監督が問いただす場面があるが、もしかするとそれは、我々が洗脳されているだけなのではないか、必用以上に「普通」にとらわれ過ぎているのではないかと考えさせられた。

映画『だってしょうがないじゃない』予告編

画像: 映画『だってしょうがないじゃない』予告編 youtu.be

映画『だってしょうがないじゃない』予告編

youtu.be

邦題:「だってしょうがないじゃない」
英題:「What can you do about it」
<2019年/日本/カラー/16:9/1時間59分/ステレオ/DCP & Blue-ray>
※本作はバリアフリー字幕が付いています

音楽:宇波拓
アニメーション:つのだふむ
作画:坪田義史 坪田達義
音響:今村左悶
英語字幕:高間裕子 石井 美和
英語字幕協力:Byron Gould
バリアフリー字幕監修:Sasa/Marie
メインビジュアル提供:篠田太郎 MISA SHIN GALLERY
宣伝美術:原田光丞
宣伝協力:きつねうさこ 洋洋 伊藤尚哉
出演:大原信 坪田義史 木村真智子 木村義則 坪田達義 坪田洋子 坪田正子 関美晴 三澤直子 岩瀬一郎 大澤健二 寺島薫 長岡由生 柴田浩生 関根幹司

製作:サンディ株式会社
制作プロダクション:サンディ株式会社
企画・監督:坪田義史
プロデューサー:柏田洋平 制作プロデューサー:池田将 制作:平岩大知 バイロン・グールド
撮影:坪田義史 池田将 和島香太郎 編集:和島香太郎 坪田義史 編集協力:柏屋拓哉

協力:パークサイド柴田メンタルクリニック 社会福祉法人 藤沢育成会・ふらっと 特定非営利活動法人ワーカーズ・コレクティブ実結 藤沢市役所 studio COOCA(スタジオ・クーカ) シーアンドアイ そば処金太郎 富士ガーデン湘南パール

助成: 文化庁文化芸術振興費補助金
ACY アーツコミッション・ヨコハマ

2019年11月2日 ポレポレ東中野ほか全国順次公開!!

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