約4か月に及ぶ審査を経て決定した、「第41回ぴあフィルムフェスティバル」のコンペティション部門「PFFアワード2019」の入選作品を発表いたします。

「PFFアワード」は、1977年にスタートした世界最大の自主映画のコンペティションです。

これまでに黒沢 清、園 子温、塚本晋也、矢口史靖、佐藤信介、李 相日、荻上直子、タナダユキ、石井裕也、山戸結希など、現在120名を超えるプロの映画監督を送り出してきました。

 昨年から今年にかけては、「PFFアワード2017」入選をきっかけに注目を集め劇場公開された『わたしたちの家』(清原 惟監督)、『あみこ』(山中瑶子監督)、『赤色彗星倶楽部』(武井佑吏監督)、『沈没家族 劇場版』(加納 土監督)が連日大盛況!
全国の劇場で多くの映画ファンが熱狂しました。また、「PFFアワード2018」のグランプリ作品『オーファンズ・ブルース』(工藤梨穂監督)が絶賛公開中など、続々と鮮烈な劇場デビューを果たしています。

画像: 発表!2019年「PFFアワード」!「第41回ぴあフィルムフェスティバル」コンペティション部門に選ばれた18作品!

ぴあフィルムフェスティバルディレクター荒木啓子
応募者へのコメント

「PFFアワード2019」へのご応募、ありがとうございます。

4か月を要している入選決定までの時間を短縮できないか、毎年試行錯誤を繰り返しておりますが<映画の時間は短縮できない>という現実に、本日の発表と至りましたことをご了解ください。

入選作品は、16名のセレクションメンバー全員での2日間に渡る最終討議を反芻しながら、論議の高まった作品を見直し決定します。

映画・映像の学校に在籍し映画を撮る、あるいは卒業後、働きながら仲間たちと映画を撮る、ということが圧倒的な映画制作環境になってきたことが応募作から伝わります。

<自主>や<商業>の定義も、映画を取り巻く環境の変化とあわせ、PFFの始まった1970年代には予想もできない困難さです。

そんな時代だからこそ「自分の映画を追い続ける映画」に特に力が宿るのではないか、と「映画」についての考察も活発に語られる本年の審査会議でした。

皆様のゼロから映画を生む情熱と真摯さに一同深い敬意を捧げます。

「PFFアワード2019」入選作品
495本の応募作品の中から入選した18作品をご紹介します。

『アボカドの固さ』
 96分 監督:城 真也 (25歳/東京都出身/会社員)

画像: 『アボカドの固さ』 96分 監督:城 真也 (25歳/東京都出身/会社員)

『雨のやむとき』
 28分 監督:山口優衣 (22歳/千葉県出身/日本大学 藝術学部)

画像: 『雨のやむとき』 28分 監督:山口優衣 (22歳/千葉県出身/日本大学 藝術学部)

『OLD DAYS』
 54分 監督:末松暢茂 (36歳/東京都出身/俳優)

画像: 『OLD DAYS』 54分 監督:末松暢茂 (36歳/東京都出身/俳優)

『おばけ』
 60分 監督:中尾広道 (39歳/大阪府出身/派遣社員)

画像: 『おばけ』 60分 監督:中尾広道 (39歳/大阪府出身/派遣社員)

『温泉旅行記(霧島・黒川・嬉野)』
 24分 監督:佐藤奏太(27歳/新潟県出身/会社員)

画像: 『温泉旅行記(霧島・黒川・嬉野)』 24分 監督:佐藤奏太(27歳/新潟県出身/会社員)

『きえてたまるか』
 29分 監督:清水啓吾 (23歳/島根県出身/大阪大学 基礎工学部)

画像: 『きえてたまるか』 29分 監督:清水啓吾 (23歳/島根県出身/大阪大学 基礎工学部)

『くじらの湯』
 7分 監督:キヤマミズキ
 (26歳/大阪府出身/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)

画像: 『くじらの湯』 7分 監督:キヤマミズキ (26歳/大阪府出身/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)

『散歩する植物』
 35分 監督:金子由里奈 (23歳/東京都出身/立命館大学 映画部)

画像: 『散歩する植物』 35分 監督:金子由里奈 (23歳/東京都出身/立命館大学 映画部)

『自転車は秋の底』
 34分 監督:逵 真平 (27歳/東京都出身/フリーランス)

画像: 『自転車は秋の底』 34分 監督:逵 真平 (27歳/東京都出身/フリーランス)

『スーパーミキンコリニスタ』
 101分 監督:草場尚也 (27歳/⻑崎県出身/会社員)

画像: 『スーパーミキンコリニスタ』 101分 監督:草場尚也 (27歳/⻑崎県出身/会社員)

『そんなこと考えるの馬鹿』
 45分 監督:田村将章(23歳/滋賀県出身/立命館大学 映像学部)

画像: 『そんなこと考えるの馬鹿』 45分 監督:田村将章(23歳/滋賀県出身/立命館大学 映像学部)

『東京少女』
 8分 監督:橋本根大 (24歳/群馬県出身/東京ビジュアルアーツ)

画像: 『東京少女』 8分 監督:橋本根大 (24歳/群馬県出身/東京ビジュアルアーツ)

『何度でも忘れよう』
 10分 監督:しばたたかひろ
 (26歳/愛知県出身/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)

画像: 『何度でも忘れよう』 10分 監督:しばたたかひろ (26歳/愛知県出身/東京藝術大学大学院 映像研究科アニメーション専攻)

『泥濘む』
 25分 監督:加藤紗希 (29歳/愛知県出身/振付師・俳優)

画像: 『泥濘む』 25分 監督:加藤紗希 (29歳/愛知県出身/振付師・俳優)

『ビューティフル、グッバイ』
 113分 監督:今村瑛一 (31歳/愛知県出身/自営業)

画像: 『ビューティフル、グッバイ』 113分 監督:今村瑛一 (31歳/愛知県出身/自営業)

『フォルナーリャの聖泉』
 26分 監督:桑山 篤 (32歳/福岡県出身/自営業)

画像: 『フォルナーリャの聖泉』 26分 監督:桑山 篤 (32歳/福岡県出身/自営業)

『めぐみ』
 34分 監督:道岡円香 (21歳/広島県出身/早稲田大学 人間科学部)

画像: 『めぐみ』 34分 監督:道岡円香 (21歳/広島県出身/早稲田大学 人間科学部)

『ワンダラー』
 31分 監督:小林瑛美
  (26歳/東京都出身/映画美学校 フィクションコース)

画像: 『ワンダラー』 31分 監督:小林瑛美 (26歳/東京都出身/映画美学校 フィクションコース)

*作品名50音順。上映時間、年齢、職業(学校名)は応募時のものです。

■<入選作品データ>

【入選数】18本
【年齢】平均:27.1歳 最年少:21歳 最年⻑:39歳

【男女比】男性(12本):66.7%女性(6本):33.3%  
【上映時間】平均:42.2分 最短:7分 最⻑:113分

■入選作品が決まるまで
応募された495作品は、PFFディレクターを含む16名のセレクション・メンバーが拝見しました。
「1作品を最低3名が途中で止めることなく完全にみる」というルールのもと、3月よりスタートしたセレクションは、5月にメンバー全員が集合して、各人の推薦作品を討議する「1次審査会議」を経て、「1次通過作品」が絞られました。
その「1次通過作品」を、セレクション・メンバー全員がみて、再び全員が集まる「2次審査会議」は、2日間に渡り、メンバーが個々の作品に対する考えを出し尽くすまで続きました。
そこから最終的なプログラミングはPFFディレクターに委ねられ、入選作品が決定します。

映画祭「第41回ぴあフィルムフェスティバル」開催概要

【会期】2019年9月7日(土)から21日(土)まで ※月曜休館

【会場】国立映画アーカイブ(東京都中央区京橋3-7-6)
   【公式サイト】https://pff.jp

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