2019年のロッテルダム国際映画祭のBright Future部門のラインナップが発表されました。
Bright Future部門は、新人の1、2作品目の作品が取り上げられる部門で、今回そのコンペティション部門では、日本からの作品はなかったものの、特別上映として、草野なつか監督の『王国(あるいはその家について)』、そして石原海監督は長編デビュー作『ガーデンアパート』とともに最新作となる短編作品「忘却の先駆者」が二作同時に選出されています。
『ガーデンアパート』石原海監督(UMMMI.)
『ガーデンアパート』はUMMMI.の名で国内外の映像祭で作品を発表してきた石原海監督による初めての長編映画。
崩壊しそうな1組の男女の愛と、愛を失った女の狂気が交錯する実験的な作品で、2018年の大阪アジアン映画祭でワールドプレミア上映され話題になった作品。
この初長編作品でのインターナショナルプレミア上映となります。
現在、ロンドンに住む石原海(UMMMI.)監督より今回のロッテルダム選出へのコメントがシネフィルに到着しました。
「「ガーデンアパート」のことを考えると気が遠くなります。カメラも録音も自分でやって、変な場所に行って、と小さく小さく映画(のような)コンセプチュアルな映像作品を作っていたアタシにとって、いわゆるドラマ的な映画を撮ることがこんなに大変だなんて思っていませんでした。でも、全てはこの失敗ばかりの、とても苦労したガーデンアパートから始まっている気もします。関わってくれた才能溢れる夢のみんなたちのおかげで完成した映画が・ちゃんとした映画なんて作ったこともないティーンエイジャーだった頃から夢見ていたロッテルダムで上映されることはとても嬉しいです。自信をなくしたりして完成までに時間かかったけど、本当によかった。また懲りずに、いますぐ長編映画を撮りたいです。」
ー石原海
『ガーデンアパート』予告
『王国(あるいはその家について)』草野なつか監督
長編デビュー作品『螺旋銀河』で高い評価と注目を集めた草野なつかの最新作となる『王国(あるいはその家について)』は、俳優が役を獲得する過程を捉えながら、ストーリーを展開させる作品で、2017年に発表した64分版を再編集した150分版の作品です。