新鋭の映画監督 奥山大史が、自ら脚本を執筆、監督・撮影・編集を手掛けた長編映画『僕はイエス様が嫌い』が、現在開催中の第29回ストックホルム国際映画祭にて最優秀撮影賞を受賞しました。本映画祭史上における日本人初かつ最年少での受賞者となります。また、本映画祭での日本人監督の受賞自体も史上初の快挙となります。
スウェーデンで1990年から続くストックホルム国際映画祭の過去の受賞者には、当時まだ若手だったクエンティン・タランティーノ監督、 ラース・フォン・トリアー監督らが名を連ねており、新人発掘に定評の映画祭と言われています。今年は11月7日から18日まで開催し、日本人監督の作品としては本作の他、 『万引き家族』(是枝裕和監督)、『Vision』(河瀬直美監督)、『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督)などが上映されています。
「キリスト教」「イエス」という題材を、ユーモアを交えつつ新鮮かつ繊細に描いた点が評価されてきた本作で、奥山監督は、第66回サン セバスチャン国際映画祭で史上最年少で最優秀新人監督賞を受賞した快挙に続き、早くも2度目の受賞となります。
また、現在開催中の2018年東京フィルメックスでのジャパンプレミアに続き、来月開催される第3回マカオ国際映画祭のコンペティション部門にも本作の出品が決まっており、今後も海外映画祭での活躍が期待されます。
奥山大史監督コメント
名誉ある賞をいただき光栄です。 優れた撮影ができていたのだとしたら、それは少しでも良い映画にしようと一緒にがんばってくれたスタッフとキャストのおかげです。改めて、本当にありがとうございます。 この映画は僕をサンセバスチャン国際映画祭と、今回のストックホルム国際映画祭に連れてきてくれました。そこでは、多くの素晴らしい映画人から国境を越えた教えをいただきました。こうして得られた財産をこれからの映画づくりに活かすことで、皆さんに恩返しをしていければと思います。
審査員委員長によって発表された選考理由
各ショットがストーリー全体を表現出来ていたこと、そしてビジュアルだけでなく目に見えない部分での演出のスタイルが印象深く、詩的かつ物語的に全体が構成されていた点を評し、本賞を授与します。
ストックホルム国際映画祭ディレクター ギト・シュニウス氏によるコメント
『僕はイエス様が嫌い』を見た時、撮影の構図やカット割り、カメラワークに魅了され、この映画に一目惚れしました。複数回に渡る上映は 、チケット発売後、すぐに売り切れ。コンペティションの作品にこれだけの人が注目することは、ストックホルム国際映画祭29年間の歴史 上初めてのことで、この映画が観客を惹きつける力があることを改めて感じました。最優秀撮影賞の受賞だけでなく、そう言った事実から も奥山大史監督にはとても明るい未来があるように感じます。彼の次回作をとても楽しみにしています。
『僕はイエス様が嫌い』 初ティザー
[STORY]
祖母と一緒に暮らすために、東京から雪深い地方の小学校へ転校することになったユラは、新しい同級生たちと行う礼拝に戸惑いを感じ ていた。やがてその行為にも慣れ、周囲と打ち解け始めた頃、目の前に小さなイエス様が出現。ユラは、願い事を必ず叶えてくれるイエ ス様の力を信じるようになっていく。
監督・脚本・撮影・編集:奥山大史
プロデューサー:吉野匡志
出演:佐藤結良 大熊理樹 チャド・マレーン/
木引優子 ただのあっ子 二瓶鮫一 秋山建一/大迫一平 北山雅廉/佐伯日菜子
制作:閉会宣言
英語タイトル:JESUS
スペック:2019/日本/カラー/スタンダードサイズ
©『閉会宣言』