鎌倉市川喜多映画記念館で年に一度開催している、若手の映画作家たちの応援企画、【日本映画の新しいカタチ】が今年も開催されます。
今回のテーマは《 自分を映す鏡 》として三作品の上映が決定!
スイスの映画監督ダニエル・シュミットは、「他人を描くことは、自分を描くこと」と言いました。
人は誰かと向き合ったとき、翻ってみえてくる自分の姿、あるいは相手との関係の中でみえてくる自分の態度や特質とも向き合うことになります。
これは他者にまなざしを向ける映画というもの全般に言えることではありますが、今回ご紹介する作品にはその特徴をはっきりとみてとることができます。
かつて過ごした場所に母と赴き、出会った人や生活をともにした人たちへのインタビューを通じて自らと向き合う 『沈没家族』。
家族でも友人でもなかった二人の女性が、共同制作の作業の過程で互いに接近していく『螺旋銀河』。
自らの辿ってきた道を家族や友人との関係を通じて想起し、再び自分たちで演じることによって物語る『あるみち』。
それぞれの視点で描かれる三つの作品が上映されます。
『沈没家族』
2017年/Blu-ray/72分
監督・撮影・編集・録音:加納 土
今から約20年前、監督の母・加納穂子さんは、 シングルマザーになったのを機に息子の「共同保育者」を募った。「あなたも保育に参加しません か」というチラシで幾人もの大人が集い、誕生した のが「 沈没家族 」である 。
本作は、そんな一風変わった家庭で育った監督が、自身の保育者たちを訪ね歩いたドキュメンタリー。監督・加納 土が生まれたばかりの頃、家族 三 人で暮らした鎌倉を母親と訪ねるシーンもあり、 鶴岡八幡宮や江ノ電の踏切などが映し出される。
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2017 審査員特別賞受賞
第20回京都国際学生映画祭 グランプリ/観客賞受賞
『螺旋銀河』
2014 年/Blu-ray/73分
監督:草野なつか 脚本:高橋知由、草野なつか
シナリオ学校に通う綾の原稿がラジオドラマのシナリオに選ばれた。しかし、放送の条件は共同執筆者を立てることだった。会社の別部署で働く幸子がたまたま綾と言葉を交わしたことから、幸子は綾の共同執筆者として巻き込まれることとなる。地味な自分と違い、可愛らしく華やかな雰囲気を持つ綾に憧れる幸子。自分本位な性格から、人付き合いが苦手で誰とも親密な人間関係を構築できない綾。まったく対照的な二人の女性が織りなす奇妙な関係が描かれる。
第14回ニッポン・コネクション(ドイツ)
ニッポン・ビジョン審査員賞受賞
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014
監督賞/SKIPシティアワード受賞
『あるみち』
2015年/Blu-ray/85分
監督・脚本・撮影・編集・録音:杉本大地
トカゲを捕まえようと夢中になっていた幼少期から始まり、浪人時代を経て大学生として生活する日々を描く。主人公の杉本大地を監督本人が演じ、友人や母親役も実際の本人たちが演じた。入学して少しずつ親しくなっていく彼らの話し言葉のニュアンスや母親との何気ない会話が生き生きと再現され、私たちの記憶の中にもある想い出や原風景へといざなってくれる。本作は、第66回ベルリン国際映画祭に史上最年少(当時21歳)監督作として正式出品された。
PFF(ぴあフィルムフェスティバル)アワード2015
グランプリ受賞
第66回ベルリン国際映画祭
フォーラム部門 正式出品
【日本映画の新しいカタチ】上映スケジュール+アフタートーク
【日本映画の新しいカタチ】上映スケジュール:
3月23日(金)
11:00~12:13 螺旋銀河
12:50~14:02 沈没家族
14:30~15:55 あるみち+After Talk
3月24日(土)
11:00~12:12 沈没家族
12:50~14:15 あるみち
14:45~15:58 螺旋銀河+After Talk
3月25日(日)
11:00~12:25 あるみち
13:00~14:13 螺旋銀河
14:45~15:57 沈没家族+After Talk
3月23日(金)14:30の回上映後、
3月24日(土)14:45の回上映後、
3月25日(日)14:45の回上映後
※【日本映画の新しいカタチ】どの回のチケットでもAfter Talk にご参加いただけます。
※After Talkは追加・変更になる場合がございます。
[映画鑑賞料金]一般:1000円 小・中学生:500円