世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』(09)以来、7年 ぶりに監督を務めた最新作『ノクターナル・アニマルズ』が11月3日(金・祝)より、TOHOシネマズ シャンテほか全国公開致します。
主演にエイミー・アダムス(『メッセージ』)、ジェイク・ギレンホール(『ナイトクローラー』)の実力派の2人を迎え た本作は、第 73 回ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリ受賞をはじめ、脇を固める名優マイケル・シャノ ンが本年度アカデミー賞®で助演男優賞にノミネート、アーロン・テイラー=ジョンソンが第 74 回ゴールデン グローブ賞助演男優賞を受賞するなど、各国の映画祭で受賞を重ね、高い評価を受けています。
ついに公開まであと 2 日と迫ったトム・フォード監督の『ノクターナル・アニマルズ』。
公開前のマスコミ向け試写や、 先行上映会でも評判はうなぎ上り!「こんなにも上質な作品に出会えるなんて幸せ!」「俳優陣の演技が最高!」「ファッションデザイナーという冠がなくてもトム・フォードは監督としてとにかく素晴らしい!」などたくさんの 絶賛の声がSNSに上がっている。
そんなトム・フォードの約7年ぶりの新作『ノクターナル・アニマルズ』は、脚本/製作もトム・フォードが手がける、こだわりにこわだり抜いた上質な一作。
前作『シングルマン』同様に、絵の構図や音響のひとつひとつ にセンスが光るのは言うまでもなく、前作に増して登場人物の衣裳から観る視覚的造形の深さは必見!
★こだわり抜いた衣裳は登場人物を作り出す
主人公スーザンは現代アートギャラリーのオーナーで、元夫から送られた小説を読むシーンばか りで劇中多くを語らない。
言葉を発しない代わりに画面から受け取る情報は彼女の表情や、 着ている衣装によって仔細に伝わって来る。その衣装は前作『シングルマン』に引き続き、アリアンヌ・フィリップスが担当している。アリアンヌはトムと再びタッグを組むにあたり「衣装によってそれぞれのストーリーがもつ異なるトーンを出すことが大変でした。衣装とは、単に服を着ることではなく、登場人物を作り出すこと、物語を動かすものなのだ、という監督の考えを汲み取り製作をしました」と語っている。
★スーザンの衣装はほとんど手作り!
アリアンヌのこだわりは、トム・フォードブランドはもちろんのこと、既存のものを出来るだけ使わないというところから、劇中のほぼ全てを手作りした。冒頭で登場する黒い胸元が大きく開いたドレスは、スーザンが身を置いている環境の”荒涼としている様”を表現しており、白壁のアートギャラリーとのコントラストが、まるでスーザンその人さえも建築の一部のように見せつける美しさを持つ。存在感のある上質なファーコートはトム・フォードのアトリエのファー職人の手製。さらに深緑のドレスに至っては、場面に合う色がなく染色作業から行ったと いう。
アリアンヌは「映画にぴったりの色を作るために、色のカメラテストもしました」と話している。
★カール・ラガーフェルドにお願い!
ワンシーンのためだけにシャネルの一点ものを特注!
スーザンの衣裳のみならず、その他の登場人物についてももちろん、他とは違うこだわりがある。
小説の中に登場するボビー・アンディーズ警部補の衣裳は、無骨なカウボーイ的性格を表現するために、クラシカルなウエスタンヨークジャケットとブーツカットのスラックスをベースに、シャツ、コーデュロイのジャケット、カウボーイハットはオリジナルで作られたそう。
そしてなんと言っても、1シーンしか登場しないスーザンの母、アン・サットンの衣裳は必見!ステータスや世間体、富を印象付ける、見て一発でブルジョワ志向だと分かる衣裳は、本作のためのシャネルオートクチュール。しかもこの衣裳を手に入れるために取った手段は他では 真似出来ない-なんとトム・フォード監督自らカール・ラガーフェルドに直電話して一点ものの製作を依頼。今のデザインではなく、劇中で描かれる当時のデザインを再現している。1シ ーンだけのためにも努力を一切惜しまない監督のこだわりに脱帽!
★映画祭はトム・フォード一色!『シングルマン』コリン・ファースの姿も!
審査員グランプリを受賞したヴェネツィア国際映画祭を筆頭に、アカデミー賞、LA プレ ミア、ロンドンフィルムフェスティバルなど、世界各地で監督とキャストが登壇するイベントが行われた。その中で劇中ではほとんど使われなかったブランド"トム・フォード"をこれでもか!というほど登壇者全員が着用している。
主演エイミー・アダムスはワンショルダーのシルバードレスや、 鎖骨ラインが見える大人のブラックドレスなど、シックで上品なドレスを身に纏った。さらにモデルとしてシャ ネルのコレクションにも登場する、小説の主人公トニーの娘役を演じるエリー・バンバーも目を引く真っ赤 なロングドレスや、くびれにワンポイントのあるブラックドレスなど、年齢からは想像つかない大人っぽい色気 を感じるドレスを披露していた。女性陣だけではない。トム・フォードと言えばスーツ!監督はもちろん、ジ ェイク・ギレンホールやアーロン・テイラー=ジョンソンらが、もしかしたらレッドカーペットに登場する前に、トム 自らの手によって直前まで手直しがされているのではないか、というほどシワひとつないスーツ姿で色気を放っていた。
さらに、プレミアには『ノクターナル・アニマルズ』の出演陣の他に、『シングルマン』に主演したコリン・ファースの姿も!太いフレームのメガネとスーツの出で立ちは、『シングルマン』の主人公ジョージを思い起こさせファンが狂喜したという。これぞトム・フォードにしか出来ない、映画と現実の最高のトータルコーディネート!
“ファッションデザイナー”の冠がなくても映画監督としての実力が世界に認められているトム・フォード。しかし、彼のセンスや才能を培ってきたのは、グッチやイヴ・サンローランなどのデザイナーとしての経験を経たからに他ならない。ファッションデザイナーとして映画監督として、底なしのこだわりを見せた『ノクターナル・アニマルズ』。まもなく公開されます!
トム・フォード監督最新作『ノクターナル・アニマルズ』本予告
【STORY】
経済的には恵まれながらも、夫との関係が上手くいかず満たされない日々を過ごすスーザンのもとに20年前に別れた元夫から送られてきた衝撃的な内容の小説が送られてくる。精神的弱さを軽蔑していたはずの元夫の送ってきた小説の中に、それまで触れたことのない非凡な才能を読み取り、再会を望むようになるスーザン。
彼はなぜ小説を送ってきたのか。それはまだ残る愛なのか、それとも復讐なのか――。
脚本・監督:トム・フォード
出演:エイミー・アダムス、ジェイク・ギレンホール、マイケル・シャノン、アーロン・テイラー=ジョンソン アイラ・フィッシャー、アーミー・ハマー、ローラ・リニー、アンドレア・ライズブロー、マイケル・シーン
原作:「ノクターナル・アニマルズ」(オースティン・ライト著/ハヤカワ文庫)
2016/アメリカ/116 分/PG-12 /ユニバーサル作品
配給:ビターズ・エンド/パルコ
(C)Universal Pictures
11 月 3 日(金・祝)より、TOHO シネマズ シャンテほか全国ロードショー